馬産地コラム

ドリームパスポートを訪ねて~恵庭 すずらん乗馬C

  • 2008年12月29日
  • すずらん乗馬クラブに繋養されるドリームパスポート
    すずらん乗馬クラブに繋養されるドリームパスポート
  • 同

  • 冬のすずらん乗馬クラブの風景
    冬のすずらん乗馬クラブの風景
  • 濱田さんとファンから送られたプレート
    濱田さんとファンから送られたプレート
 11月4日に現役を引退したドリームパスポートが、11月7日に恵庭市のすずらん乗馬クラブへと移動。入厩間もないながらも多くの競馬ファンが足を運んでいる。

 ドリームパスポートは神戸新聞杯、きさらぎ賞を制し、06年の皐月賞、菊花賞、ジャパンカップでも2着と好走。ファンからの人気も高く、有馬記念、宝塚記念といったファン投票のあるレースでも上位に支持された。

 「本州からも多くの競馬ファンの方がドリームパスポートの元を訪ねてくれます。またファン同士でレースの思い出を語り合うなど、ドリームパスポートを中心とした話題は尽きないようです」

 とはすずらん乗馬クラブの濱田桂子代表。来年の1月11日に30年を迎える歴史のある乗馬クラブのOBには、JRAに所属する蛯名正義騎手の名前も。
 交通の便が良い場所で安価に乗馬を体験できるとあって、取材日にも
多くの会員が足を運んでいた。

 また、すずらん乗馬クラブの魅力は、繋養馬のほとんどが元競走馬であること。ちなみにドリームパスポートの馬房の隣には重賞を3勝したマイネルブリッジ、そして最近、すずらん乗馬クラブにやってきた金鯱賞、シンザン記念の勝ち馬であるゼネラリストの姿もある。

 「競走馬を乗馬にしていくのは大変ではないですか? と聞かれることもありますが、みんな可愛いですよ。マイネルブリッジも悠々自適の暮らしを送っていますし、ゼネラリストは熟年を迎えた俳優さんの評価が急に高まるように、人気を集めています」(濱田さん)

 あまり競馬には詳しくないという濱田さんだが、ドリームパスポートがここに来ると報告を受けた時には、自分ではピンと来なかったものの、スタッフはかなり驚いたらしい。

 「私は黒毛や白毛に近い馬が好きだったので、ドリームパスポートの毛色を見ただけでも嬉しかったのですが(笑)。でも、改めて競走成績を振り返ったときに、凄い馬が来てくれたんだな、と改めて関係者の方に感謝するだけです」(濱田さん)

 普段は星の模様が入った馬服を着て、北海道の冬を迎えているドリームパスポートだが、撮影のために馬服を脱いでもらうことにした。到着してからまだ二ヶ月ほどしか経っていないこともあるのか、冬毛はほとんど伸びておらず、馬体も現役時同様に引き締まっており、ちょっと乗り込めば競馬に使えそうな気もしてくる。

 まだまだ乗馬の訓練を始めたばかりということで、人を乗せるには時間を要しそうだが、見学は月曜日を除く午前11時から午後3時までの間なら可能とのこと。見学を希望される方はすずらん乗馬クラブに電話(0123-36-6386)をして、訪問の許可を取っていただきたい。また、その際には体験乗馬もされることをお勧めする。

「年齢問わず楽しめるのが乗馬の魅力です。ここにいる馬たちにはこれまで競馬で歩んできた様々なドラマもありますし、そんなお話もファンの皆さんで交わしていただければと思います」

 と濱田さんは笑顔で語った。

                  日高案内所取材班