馬産地コラム

テンシノキセキを訪ねて ~ 浦河 駿河牧場

  • 2008年12月22日
  • テンシノキセキ
    テンシノキセキ
  • テンシノキセキと姉クリノトップレディ
    テンシノキセキと姉クリノトップレディ
  • 突然の侵入者、放牧地に現れたキタキツネ
    突然の侵入者、放牧地に現れたキタキツネ
  • テンシノキセキの2008(父サクラバクシンオーめす)
    テンシノキセキの2008(父サクラバクシンオーめす)
テンシノキセキを訪ねて 浦河 駿河牧場

 中央競馬・橋口弘次郎厩舎からデビューして2歳時から活躍、フェアリーステークス・セントウルステークスと2つの重賞を制し、短距離を中心に9勝を上げたテンシノキセキ。現在は、生まれ故郷の浦河・駿河牧場で繁殖牝馬として暮らしています。

 駿河牧場は浦河・絵笛地区に位置しますが、放牧地を拡張した時に、(単線の)日高本線を挟む形で拡張したので、牧場の敷地内を線路が通過しているようにも見えます。新緑の季節には車中から草を食む馬の親子を眺めることができ、無人駅の絵笛駅の佇まいと共に、なんとものどかな光景が広がっています。

 線路を挟んだ放牧地に案内していただくと、テンシノキセキは穏やかな表情で迎えてくれました。同じ放牧地には姉のクリノトップレディ(中央3勝)も居るのですが、姉妹仲良くという訳でもなく、クールに距離を置いた関係のようです。(この日は上手くツーショットが撮影できました)

 2004年の高松宮記念8着を最後に繁殖入りしたテンシノキセキですが、2004年、2005年は残念ながら不受胎、2006年配合のタイキシャトル、2007年配合のサクラバクシンオーは無事に誕生しました。父タイキシャトルの「テンシノキセキの2007」は10月末に育成牧場に移動、来年にはデビューを迎えます。

 「この一族は、姉のクリノトップレディも、母のビーバップアルーも賢くて手がかからない。テンシノキセキも(キセキの)子供も利口だねぇ」と駿河牧場の川又政之氏。「テンシノキセキの時代は、短距離路線がまだまだ整備されていなかったけど、子供には母のスピードを受け継いで(短距離路線で)活躍してほしいね」と熱く語ってくれました。

                  日高案内所取材班