ウインザーノットを訪ねて~新冠 明和牧場
明和牧場にて今年29歳になるウインザーノットを訪ねた。馬の世界では稀有な“アラサー”(Around30=30歳前後)の域に達してきたが、2月の寒い風にさらされながらも、ヒグマのごとき長い冬毛に身を包んで、その眼差しは高齢馬らしからぬ輝きを放っている。
「昔はうるさかった。蹴る馬だったよ。今はさすがに大人しくなったけどね。」
と、明和牧場の浅川明彦さんは語る。
「ほら、パーソロンの血が入っているからね。」
と、浅川さんは付け加えた。父パーソロン譲りの気の強さがこの馬にも伝わっているようだ。
「仔も気の荒い馬が多かったなぁ。」
と、その産駒には手を焼いたようだ。種牡馬としてはセントライト記念を制したウインドフィールズが稼ぎ頭で、母の父としてエルムS、クラスターCの勝ち馬であるエンゲルグレーセを送り出した。
年齢が年齢だけに、健康面には大いに気を使っている。左後ろ脚には繋皹(けいくん=皮膚炎)という病気があり、悪化しないように細心の注意を払っている。放牧に出す朝も途中でピタッと静止して行きたがらない時は無理しないそうだ。
また、ウインザーノットも人間同様、歯の衰えには勝てず、軟らかくて食べやすくしたエサを与えている。馬とて歯なくして長生きはできない。放牧地にいる彼をじっと見ていると、時折思い立ったかのように舌を出して、口を動かす素振りを見せる。「何をしているのでしょうね」と尋ねてみたが、浅川さんにもわからない。その歯を確かめるように、ウインザーノットは口を動かしているのかもしれない。
ギャロップダイナ、シンボリルドルフ、サクラユタカオーらに食い下がった頃から時は流れたが、現役時代の思い出を胸にウインザーノットを見学に訪れるファンの姿は今も絶えない。
明和牧場には他にも、北海道市場で当時の史上最高落札価格をマークして話題を呼んだサンゼウスも長きにファンを得ている一頭だ。また、昭和時代に一大ブームを巻き起こした名馬ハイセイコーのお墓参りに観光バスで牧場に来られる方も多く、同馬の主戦であった増沢末夫現調教師も毎年訪れているそうだ。今年も多くの競馬ファンが明和牧場で懐かしい時間を過ごすことだろう。
日高案内所取材班
「昔はうるさかった。蹴る馬だったよ。今はさすがに大人しくなったけどね。」
と、明和牧場の浅川明彦さんは語る。
「ほら、パーソロンの血が入っているからね。」
と、浅川さんは付け加えた。父パーソロン譲りの気の強さがこの馬にも伝わっているようだ。
「仔も気の荒い馬が多かったなぁ。」
と、その産駒には手を焼いたようだ。種牡馬としてはセントライト記念を制したウインドフィールズが稼ぎ頭で、母の父としてエルムS、クラスターCの勝ち馬であるエンゲルグレーセを送り出した。
年齢が年齢だけに、健康面には大いに気を使っている。左後ろ脚には繋皹(けいくん=皮膚炎)という病気があり、悪化しないように細心の注意を払っている。放牧に出す朝も途中でピタッと静止して行きたがらない時は無理しないそうだ。
また、ウインザーノットも人間同様、歯の衰えには勝てず、軟らかくて食べやすくしたエサを与えている。馬とて歯なくして長生きはできない。放牧地にいる彼をじっと見ていると、時折思い立ったかのように舌を出して、口を動かす素振りを見せる。「何をしているのでしょうね」と尋ねてみたが、浅川さんにもわからない。その歯を確かめるように、ウインザーノットは口を動かしているのかもしれない。
ギャロップダイナ、シンボリルドルフ、サクラユタカオーらに食い下がった頃から時は流れたが、現役時代の思い出を胸にウインザーノットを見学に訪れるファンの姿は今も絶えない。
明和牧場には他にも、北海道市場で当時の史上最高落札価格をマークして話題を呼んだサンゼウスも長きにファンを得ている一頭だ。また、昭和時代に一大ブームを巻き起こした名馬ハイセイコーのお墓参りに観光バスで牧場に来られる方も多く、同馬の主戦であった増沢末夫現調教師も毎年訪れているそうだ。今年も多くの競馬ファンが明和牧場で懐かしい時間を過ごすことだろう。
日高案内所取材班