馬産地コラム

スウィフトカレントを訪ねて~ブリーダーズSS

  • 2009年12月28日
  • ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活をスタートしたスウィフトカレント
    ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活をスタートしたスウィフトカレント
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 2歳から8歳まで長きに渡って活躍したスウィフトカレント(父サンデーサイレンス、母ホワイトウォーターアフェア)を繋養先の日高町・ブリーダーズスタリオンステーションに訪ねた。

 本馬は通算成績42戦6勝、5歳時の2006年、小倉記念(G3)で重賞初制覇を飾ると、続く新潟記念(G3)でも4着に入り、この年から行われた「サマー2000シリーズ」の初代チャンピオンとなった。

 「サマー2000シリーズ」の勢いのまま迎えた秋の天皇賞(G1)ではダイワメジャーの半馬身差の2着に惜敗したが、アドマイヤムーン、コスモバルク、スイープトウショウ、ダンスインザムード、アサクサデンエンなど錚々たるG1馬達に先着する大健闘だった。その後は、重賞の常連として芝・ダート問わずに参戦したが勝ち星を挙げることが出来ず、今年の5月に競走馬登録を抹消、種牡馬入りが決定し7月にこちらに移動して来た。早めのスタッドインという事で、今年の夏は多くの見学客が会いに来たそうだ。現在は種牡馬に向けての体作りをしながら鋭気を養っている。

 「気性はさすがにサンデーサイレンス直仔ですね、激しい部分もありますがステイゴールドに比べればマシなもんですよ(笑)。半兄のアサクサデンエン(父Singspiel)もこちらで繋養していますが、兄は大人しいですが弟はやんちゃ。性格に読めない部分があって、好き勝手に放牧地を走り回っています。真っ黒で綺麗な馬体をしているのですが、泥遊びが大好きで手入れが大変なんですよね~。」と語るのはスタリオンスタッフの貞森渉さん。この季節は馬服を着て過ごしているが、日々の手入れは大変な事だろう。

 本馬は来年からの新種牡馬。初年度81頭、今年66頭の繁殖を集めた半兄アサクサデンエンは来年3年目の種牡馬シーズンを迎えるが、この兄弟にとって追い風になりそうな事が起こった。半弟のヴィクトワールピザ(父ネオユニヴァース)の活躍だ。新馬戦ではローズキングダムの2着に敗れるも、2歳未勝利戦、京都2歳ステークスと現在2連勝中。来春の牡馬クラシック有力馬の1頭と目されている。2頭の兄にとっても、スタリオンのスタッフにとっても来年は注目のクラシックになりそうだ。
取材班