エイシンガイモンを訪ねて~高知県・土佐黒潮牧場
マイルを中心とした距離で重賞3勝を挙げたエイシンガイモン(牡17歳、父シアトルダンサーⅡ 母Meadow Mist)を高知県須崎市の土佐黒潮牧場に訪ねた。
本馬は米国産の外国産馬として1995年10月デビュー、新馬戦では2着を7馬身ちぎる圧勝、2戦目では後の皐月賞(G1)馬イシノサンデーの2着、3戦目の白菊賞で2勝目を挙げると、朝日杯3歳ステークス(G1)はバブルガムフェローの2着に健闘する。
1996年、明け4歳(現3歳)となった本馬は、きさらぎ賞(G3)3着、ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(G2)2着と健闘を続ける。古馬初挑戦となった関屋記念(G3)では単勝1.8倍の1番人気に応えて初重賞制覇を果たす。その後もマイルを中心とした距離で活躍し、翌年の関屋記念(G3)を連覇、7歳(現6歳)になってからもセントウルステークス(G3)を優勝し重賞3勝を挙げる。
2000年6月、8歳(現7歳)となった本馬は障害戦に転向、圧倒的1番人気に推された障害デビュー戦では落馬競走中止するも、2戦目で2着、3戦目で障害戦初勝利を挙げ、新たな舞台での活躍が期待されたが脚部不安を発症した。その後、中央競馬の登録を抹消し、9か月の休養を挟み笠松競馬で1戦、高知競馬で2戦走ったが勝ち星を挙げることは叶わず、2002年の3月に引退した。通算成績44戦7勝、重賞3勝。
2002年3月2日、高知競馬場での引退レースを終えた本馬は、翌日の3月3日に土佐黒潮牧場へと移動してきた。牧場にとっては4頭目のBTC「引退名馬等のけい養展示」の助成対象馬となる。
「この馬は、世話するには扱い易いんですが、現役時代からの噛み癖が困りもんですね。うちの馬は大人しい馬が多いので、見学に来るファンにも自由に触れ合って貰っているんですが、この馬だけは『噛みます!!』と注意書きの看板を作って注意してもらっています。ただ、競走馬としてはそのくらいの闘争心が無いと、重賞3勝なんて立派な成績を出すことも出来ないんでしょうね。」と濱脇さんは苦笑いしながら語ってくれた。
土佐黒潮牧場の方針としては「出来るだけ痛い思いをさせたくない」という事で、こちらに来てからの去勢手術などは行わないそうだ。荒々しい本馬の性格も一つの個性として受け入れているのだろう。離れると俯き加減、近づくと噛み付きに来る本馬には取材者も撮影に苦労したが、それが本馬の個性と思えば腹も立たない。気長に付き合って撮影させて頂いた。
土佐黒潮牧場の厩舎やパドックは、建設業だった濱脇さんが設計し、ほとんどが手作りだ。牧柵は昔は竹を使っていたが、耐用年数が2~3年しかもたないので、塩ビパイプに角材を通したものを使っているが、これも濱脇さんのアイデアだ。「厩舎も自分で設計して、屋根は高くしてあります。夏は涼しく、冬は馬の体温が篭って温かいですよ。左右に厩舎も増やして、良い厩舎が出来たと思いますが、通路はもう少し広くすれば良かったかな~」と濱脇さん、本馬が見学中のファンに後ろから噛み付きに行くのが心配なようだ。
土佐黒潮牧場は、素晴らしい自然環境に囲まれ、こちらも癒され無防備になってしまうが、エイシンガイモンに接するときは、くれぐれも油断しないようご注意願いたい。
取材班
本馬は米国産の外国産馬として1995年10月デビュー、新馬戦では2着を7馬身ちぎる圧勝、2戦目では後の皐月賞(G1)馬イシノサンデーの2着、3戦目の白菊賞で2勝目を挙げると、朝日杯3歳ステークス(G1)はバブルガムフェローの2着に健闘する。
1996年、明け4歳(現3歳)となった本馬は、きさらぎ賞(G3)3着、ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(G2)2着と健闘を続ける。古馬初挑戦となった関屋記念(G3)では単勝1.8倍の1番人気に応えて初重賞制覇を果たす。その後もマイルを中心とした距離で活躍し、翌年の関屋記念(G3)を連覇、7歳(現6歳)になってからもセントウルステークス(G3)を優勝し重賞3勝を挙げる。
2000年6月、8歳(現7歳)となった本馬は障害戦に転向、圧倒的1番人気に推された障害デビュー戦では落馬競走中止するも、2戦目で2着、3戦目で障害戦初勝利を挙げ、新たな舞台での活躍が期待されたが脚部不安を発症した。その後、中央競馬の登録を抹消し、9か月の休養を挟み笠松競馬で1戦、高知競馬で2戦走ったが勝ち星を挙げることは叶わず、2002年の3月に引退した。通算成績44戦7勝、重賞3勝。
2002年3月2日、高知競馬場での引退レースを終えた本馬は、翌日の3月3日に土佐黒潮牧場へと移動してきた。牧場にとっては4頭目のBTC「引退名馬等のけい養展示」の助成対象馬となる。
「この馬は、世話するには扱い易いんですが、現役時代からの噛み癖が困りもんですね。うちの馬は大人しい馬が多いので、見学に来るファンにも自由に触れ合って貰っているんですが、この馬だけは『噛みます!!』と注意書きの看板を作って注意してもらっています。ただ、競走馬としてはそのくらいの闘争心が無いと、重賞3勝なんて立派な成績を出すことも出来ないんでしょうね。」と濱脇さんは苦笑いしながら語ってくれた。
土佐黒潮牧場の方針としては「出来るだけ痛い思いをさせたくない」という事で、こちらに来てからの去勢手術などは行わないそうだ。荒々しい本馬の性格も一つの個性として受け入れているのだろう。離れると俯き加減、近づくと噛み付きに来る本馬には取材者も撮影に苦労したが、それが本馬の個性と思えば腹も立たない。気長に付き合って撮影させて頂いた。
土佐黒潮牧場の厩舎やパドックは、建設業だった濱脇さんが設計し、ほとんどが手作りだ。牧柵は昔は竹を使っていたが、耐用年数が2~3年しかもたないので、塩ビパイプに角材を通したものを使っているが、これも濱脇さんのアイデアだ。「厩舎も自分で設計して、屋根は高くしてあります。夏は涼しく、冬は馬の体温が篭って温かいですよ。左右に厩舎も増やして、良い厩舎が出来たと思いますが、通路はもう少し広くすれば良かったかな~」と濱脇さん、本馬が見学中のファンに後ろから噛み付きに行くのが心配なようだ。
土佐黒潮牧場は、素晴らしい自然環境に囲まれ、こちらも癒され無防備になってしまうが、エイシンガイモンに接するときは、くれぐれも油断しないようご注意願いたい。
取材班