馬産地コラム

ステイゴールドを訪ねて~ブリーダーズSS

  • 2009年09月18日
  • ブリーダーズSSに移動したステイゴールド
    ブリーダーズSSに移動したステイゴールド
  • 同

  • 同

  • ステイゴールドの名前が書かれているポスト
    ステイゴールドの名前が書かれているポスト
 ステイゴールドが2年ぶりにブリーダーズ・スタリオン・ステーションに帰ってきた。

 「9月5日にビッグレッドファームから移動してきました。輸送して、もっとイレ込むかと思ったのですが、今までで一番落ち着いていますね。貫禄がついたのかな」と坂本教文同スタリオン主任がほっとしたような表情をみせた。

 国内シャトルスタリオンとして活躍する同馬は、2年おきに日高町のブリーダーズスタリオンステーションと新冠町のビッグレッドファームを行き来する。異なる環境で、異なる管理。当初はこうした種牡馬管理に疑問符を投げかける向きもあったが、初年度からコンスタントに活躍馬を送るステイゴールドによってそうした声は封印された。

 今年はドリームジャーニーが宝塚記念(G1)を勝ったほか、サンライズマックスが小倉大賞典(G3)を、シルクメビウスがユニコーンS(G3)を、そしてコスモプラチナがマーメイドS(G3)に優勝した。芝で、ダートで、またその勝ちっぷりも追い込みあり、逃げ切りありとバラエティに富んでいる。初年度から4世代連続、そして産駒は4年連続で重賞競走に優勝しており、その実績はもはや名種牡馬の域だ。

 そんなステイゴールドに対して「当スタリオンへは3回目の入厩になりますし、種付に関してもベテラン種牡馬ですから心配なところはありません」と全幅の信頼を置いている。

 そんな人間の思惑を知ってか知らずか、ステイゴールドはタップダンスシチーと、そしてアドマイヤジャパンにはさまれた放牧地を闊歩している。「3頭とも気の強い馬たちですからね。最初はずいぶんと意識しあっていましたけど、もう落ち着きましたよ。ステイゴールドのキャリアに一日の長があった感じですね」というから、若い馬たちににらみを利かせる存在になっている。そんな状況に「よい教育係になっているんでしょうね」と目を細めている。

 今は、体を休めるとき。忙しくなるだろう来シーズンに向けて、心身の準備を進めている。
取材班