馬産地コラム

フィーユドゥレーヴを訪ねて~高瀬牧場

  • 2009年08月14日
  • フィーユドゥレーヴと当歳(牡、父キングカメハメハ)
    フィーユドゥレーヴと当歳(牡、父キングカメハメハ)
  • 同

  • 母ランフォザドリーム
    母ランフォザドリーム
  • フィーユドゥレーヴの1歳(牝、父ロックオブジブラルタル)
    フィーユドゥレーヴの1歳(牝、父ロックオブジブラルタル)
 2003年6月、函館競馬の2歳新馬戦でデビュー、単勝180円の圧倒的な人気に応えて初勝利をあげると、2戦目の函館2歳ステークス(G3)を制し、デビューから2連勝で重賞制覇したフィーユドゥレーヴを生まれ故郷の高瀬牧場に訪ねた。

 本馬は2連勝の後、ファンタジーステークス(G3)5着、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は2番人気に推されるも12着、年が明けてフィリーズレビュー(G2)では3着と健闘するも、桜花賞(G1)では13着。以後は勝ち星をあげられず2006年に引退、繁殖入りした。

 本馬の母ランフォザドリームはマーメイドステークス(G3)、朝日チャレンジカップ(G3)を勝利、母の母ミルフォードスルーは函館3歳ステークス(G3)、シンザン記念(G3)を勝利している。本馬の産駒には「4世代重賞制覇」が期待されている。
 初仔となる2歳馬のローレルベオウルフ(牡、父キングカメハメハ)、1歳(牝、父ロックオブジブラルタル)、当歳(牡、父キングカメハメハ)と仔出しも順調だったが、残念ながら今年は不受胎となった。

 「母としては優等生で子供もよく可愛がっていますよ」と語ってくれたのは高瀬牧場代表の高瀬良樹さん。本馬の血を遡ればスピードキヨフジを祖とする、名牝ロジータの一族にも繋がる。一族からはG1馬レギュラーメンバー、カネツフルーヴの他にも、シスターソノ、イブキガバメントやアクイレジアなど活躍馬の枚挙に暇がない。高瀬牧場にも多くの繁殖牝馬が戻ってきているが、どの馬にも期待しているので血統が偏ってしまうのが悩みだそうだ。

 高瀬牧場で今年生まれた繁殖牝馬の親子は、8組全てが同じ放牧地に放牧されている。横幅は約50mだが、奥行きは600mもあろうかという広大な放牧地だ。「広い放牧地ですね~。これなら8組の親仔でも十分過ぎますね」と驚きの声を上げていると、ニヤリと笑いながら「これは通路みたいなもんだよ」と高瀬さん。
 細長い放牧地の先は、土手を挟んで、野球のグラウンドが2~3つ入りそうな河川敷の放牧地に繋がっていた。この広い草地を走り回るのだから凄い運動量になるのだろう。高瀬牧場の生産馬が活躍し続ける理由が分かった気がする。

 最後に「フィーユドゥレーヴの1歳は、母と同じローレルクラブで絶賛募集中だから(案内所ウェブサイトで)宣伝しといて!」と高瀬さんからのPRコメント、4世代重賞制覇を目指して頑張ってもらいたいものだ。
取材班