馬産地コラム

エイシンデピュティを訪ねて~レックススタッド

  • 2009年12月24日
  • エイシンデピュティ
    エイシンデピュティ
  • 同

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 12月11日に繋養先となる新ひだか町のレックススタッドにスタッドインしたエイシンデピュティ(牡7歳、父フレンチデピュティ 母エイシンマッカレン)を訪ねた。

 本馬は、2005年4月、京都競馬場3歳未勝利戦にてデビュー。3戦目に初勝利を挙げると、6戦目に500万、9戦目に1000万、12戦目に(降級後の)1000万を勝った。一つ一つ階段を登るようにステップアップしてきた本馬は17戦目に1600万、18戦目にオープン競走のオーストラリアトロフィー、19戦目にエプソムカップ(G3)を制し重賞ウイナーの仲間入りを果たす。
 6歳になった2006年、スポニチ賞京都金杯(G3)で2つ目の重賞タイトルを獲得すると、5月には金鯱賞(G2)を制し、6月にはメイショウサムソンをアタマ差押さえ込んで宝塚記念(G1)を逃げ切り勝ち、ついにG1ウイナーの座に登り詰めた。未勝利戦からG1までコツコツと勝利を積み重ねての戴冠だった。

 G1馬となった本馬だが、その後は右前脚の脚部不安を発症、1年3か月もの長きに渡る休養の後、戦列に復帰した。休養明けのオールカマー(G2)では14着に大敗するも、次走の天皇賞(秋)(G1)は9着、ジャパンカップ(G1)は6着と少しづつ着順を上げて復活の予感を感じさせていたが、右前脚の故障が再発、残念ながら引退、種牡馬入りすることとなった。

 こちらに移動してまだ半月余り、現在は療養中につき午前中の短い時間、小さめの放牧地に放されている。隣には最近まで一緒にレースを走っていたスクリーンヒーローが放牧されていたが、やはり顔馴染みなのか気にしている様子だった。

 本馬の優れたスピードを受け継ぐ産駒の登場に期待したい。なお、来春の種付料は受胎条件50万円、出生条件80万円となっている。
取材班