馬産地コラム

あの馬は今Vol.44~阪神JFテイエムオーシャン

  • 2008年12月11日
  • 今のテイエムオーシャン~川越ファーム
    今のテイエムオーシャン~川越ファーム
  • 同

  • 同

 2000年12月3日 
 阪神3歳牝馬S(阪神ジュべナイルフィリーズJpnⅠ)
 優勝馬  テイエムオーシャン


 祖母エルプスゆずりの快速を武器に阪神3歳牝馬Sを快勝したテイエムオーシャンは、桜花賞、秋華賞のタイトルを手土産に生まれ故郷の川越ファームに帰ってきた。
 現役時代よりもひとまわりも大きく、すっかり母の雰囲気を醸し出しているテイエムオーシャンが、そこにいた。大きく、派手な流星はそのままで、燐とした表情には母としてのやさしさがにじみ出ている。
 
 「戻ってきて5年目になりますが、相変わらず気性は強いですよ」と場主の川越敏樹さんも苦笑いを浮かべる。戻るなり、ケガをしている体でそれまでのボスにケンカを仕掛けて、放牧地のリーダーの座に居座ったエピソードは高名だ。
 初年度にテイエムオーシャンを配合された同馬は、無事に受胎したが秋に流産。2年目に生まれた待望の初仔は年が明ければ3歳になる。テイエムユメノコ(牝、父テイエムオペラオー)と名付けられたこの馬は、年明け頃にデビュー予定だという。
 「(テイエムユメノコは)体型的にも気性的にも母親に良く似たスピードタイプだと思います。テイエムオーシャンは気性はキツいけど仔馬の面倒をよく見る、優秀な母親ぶりですよ」と頼もしそう。2008年に産声をあげた第2仔は「のんびり屋で父親(テイエムオペラオー)に似たのかな」という。
 
 牡牝の産み分けも見事だが、牝馬を自分に似せ、牡馬を種牡馬に似せるとは憎い。それだけでテイエムオーシャンの優れた一面が垣間みえる。
 「受胎率のよい馬で、今年もテイエムオペラオーの仔を受胎しています。オーナーの期待に応えるように、生産者として馬を競馬場に送り出したいと思っています」という。年が明ければ、もう出産シーズンは目の前だ。
 このまま、あと数ヶ月もすれば、来春もまた“10冠ベイビー”が産声をあげる。今度はどんなタイプの仔を残してくれるのだろうか。
 
                  日高案内所取材班