馬産地コラム

あの馬は今Vol.41~マイルCS・ダイワメジャー

  • 2008年11月28日
  • 今のダイワメジャー~社台スタリオンS
    今のダイワメジャー~社台スタリオンS
  • 同

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2006年11月19日・2007年11月18日
 マイルチャンピオンシップ 優勝馬 ダイワメジャー


 北海道安平町にある社台スタリオンステーション。4000頭を超える繁殖牝馬が出入りをした、嵐のような2008年種付シーズンが終わった、夏。種牡馬1年目を無事に終えたダイワメジャーを訪ねた。
 
 「まだ1年目が終わったばかりですけど、もう何年もここにいるようなデカイ顔して威張ってますよ」と、同スタリオンの徳武英介さんが苦笑いを浮かべる。たしかに、筋肉質の体はよりたくましさを増し、迫力十分だ。ディープインパクトとキングカメハメハとクロフネに囲まれるような放牧地でも萎縮することなく“ボス然”とした雰囲気を醸し出している。さすが致命的ともいえる咽喉部疾患を乗り越えて史上4位タイのG1レース5勝。
 サンデーサイレンス産駒としてはディープインパクトに次ぐG1ハンターになっただけのことはある。
 「ダイワメジャーが得意とした1600mから2000mくらいの距離は世界の主流ですからね。そこでG1レースを勝ちまくったのですから、当然期待は大きいです」という。
 
 初年度の配合頭数は204頭。その中にはディープインパクトの母ウインドインハーヘアやシーイズトウショウ、ダイワパッションなどが含まれている。
 「サンデーサイレンス系全体に言えるのですが、種付は上手というよりも好きみたいです(笑い)」。本格的なシーズン前、試験種付のときから天性のものを見せていたという種付は、シーズン終盤にはまるでベテランの域に達していたという。生産者の期待の高さは言うまでもない。この秋は賢妹ダイワスカーレットの活躍で、再びダイワメジャーの名声が高まっているが、意地悪な取材者としては、種付を終えた同馬の性格的な部分も気になって仕方がない。
 
 「基本的には、どの馬も気性が強い」といわれるサンデーサイレンス産駒の中でも「ダイワメジャーは横綱級(社台ファーム育成スタッフ)」。牧場時代から数々のエピソードの持主で、デビュー戦のパドックで寝転んでしまったのは有名な話だ。種牡馬の場合「おとなしい馬でも種付を覚えるとうるさくなる」というケースが多いが「それが、全然変わらないです。おとなしくはないけど、普通ですよ」という答えが返ってきた。
 確かに、パドックを悠々と歩き回る姿にかつてのガキ大将のイメージはない。そして、あと数ヶ月もすれば待望の初年度産駒があちらこちらで産声をあげる。「どんな仔を出してくれるのか、今から楽しみですよ。サンデーサイレンス晩年の傑作ですから、さらに枝葉を広げて欲しいです」と期待は高まるばかりだ。

                    日高案内所取材班