馬産地コラム

あの馬は今Vol.25~NHKMC・イーグルカフェ

  • 2007年06月04日
  • 今のイーグルカフェ~ブリーダーズスタリオンステーション(門別)
    今のイーグルカフェ~ブリーダーズスタリオンステーション(門別)
  • 同

2000年5月7日 第5回NHKマイルC 優勝馬イーグルカフェ

 外国産馬による、外国産馬のためのレース。当初、NHKマイルCは3歳マイラーナンバーワンを決めるレースではなく、クラシックに出走権のない外国産馬のナンバーワンを決めるためのレースだった。創設から4年連続で外国産馬が勝ち、第5回のこのときも出走馬18頭中11頭が外国産馬だった。その後、一部ではあるが外国産馬にもクラシックレースの出走権利が与えられるようになり、翌年のダービーにはNHKマイルCをステップにした外国産馬クロフネが出走した。逆に、外国産馬の優勝は、第6回のクロフネを最後に現在まで出ていない。イーグルカフェは、そんな時代の節目に咲いた大輪の花だった。
 
 ここまで6戦2勝2着2回3着1回。1番人気こそニュージーランドT4歳S2着のマチカネホクシンに譲ったものの、京成杯で2着し、共同通信杯4歳Sに優勝していたイーグルカフェは堂々の2番人気に支持されていた。ユウマのペースでレースは流れ、マルターズスパーブ、ネオポリスらの先行勢がつくる前半1000m57秒7のペースは時計以上に先行馬にとって厳しい流れとなった。直線でトーヨーデヘアが抜け出しにかかったところ、最後方から進んだ武豊騎手のマチカネホクシンがこれを猛追。しかし、やや伸びを欠くところ、大外から岡部幸雄騎手に手綱を取られたイーグルカフェが獲物を狙う鷹のごとくに2頭に襲いかかる。イーグルカフェがトーヨーデヘアをハナ差捕らえたところがゴールだった。
 
 その後、長く不振の時期があったが、02年のジャパンCダートを快勝。史上3頭目となる芝ダートのG1優勝馬というタイトルを手土産に05年から日高町のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬となった。
 種牡馬となってからは2年連続で100頭以上の繁殖牝馬に配合するなど人気は高い。「とても賢い馬で、オンオフの切り替えがうまいですね。放牧地ではのんびりしていますし、種付のときはキッチリと仕事をこなしています」とスタッフ。隣の放牧地で馬が走り回っても平然と草を噛んでいるようなマイペースぶりに大物感が漂っている。
 本馬同様にきれいな馬が多いと評判になっている。産駒のデビューが今から楽しみだ。

               日高案内所取材班