馬産地コラム

あの馬は今~フェブラリーS・メイセイオペラ

  • 2006年02月20日
  • 今のメイセイオペラ1
    今のメイセイオペラ1
  • 今のメイセイオペラ2
    今のメイセイオペラ2
この特集はGⅠレースの思い出の名馬を尋ねて現在の様子をお伝えするものです。

1999年1月31日 フェブラリーS(G1、ダート1600m)
勝馬:メイセイオペラ

 ハイセイコー、オグリキャップ、そしてコスモバルク。 
地方競馬からデビューし、全国の競馬ファンを沸かせた名馬は数多い。
中にはイナリワンのようにJRAの年度代表馬にまでのぼりつめた馬もいる。しかし、地方競馬に所属したままJRAのG1競走に優勝した馬となれば、1999年のフェブラリーSを快勝したメイセイオペラ以外にはその名を見つけることはできない。

 静内町目名に位置するレックススタッド。12歳になったメイセイオペラは、ここで種牡馬生活を送っている。派手な大流星に明るい栗毛の馬体。内外30数頭の名馬が居並ぶ同スタッドでもメイセイオペラの存在感はピカイチだ。
 久しぶりに訪れると相変わらずの人懐っこさで歓迎してくれる。「おいおい、そんなに近づいてきたら、写真が撮れないよ」。距離をおくために、反対側に回りこもうとすると、一緒になって歩いてくる。牧柵を挟んで、取材者と馬との不思議なランデヴーが続く。
 現役時代に見せた、あの闘争心はどこから沸いてくるのだろうか、というほどに目が優しい。「普段はいつもこうなんですよ。でも、種付になると別馬のような激しさがあるんです」
とスタリオンスタッフの泉悠生さんが目を細める。「種付も上手さは天性のものがありますね」と悪戯っぽく笑う。
 現役引退から6年目のシーズンを迎えようとしているが、いまだに訪れるファンは多い。人参や年賀状のほか、産駒の写真を送ってくれる熱心なファンもいる。「産駒が活躍して、たくさんの仔どもを残せるとよいのですけどね」とポツリ。
 それでも、産駒は岩手競馬を中心にJRA、そして海を越えた韓国競馬でも活躍中だ。まだ12歳。メイセイオペラ劇場の第ニ幕はこれからだ。