重賞ウィナーレポート

2016年11月20日 マイルChS G1

2016年11月20日 京都競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキーアイル

プロフィール

生年月日
2011年03月12日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:18戦8勝
総収得賞金
529,481,000円
ディープインパクト
母 (母父)
スターアイル(IRE)  by  ロックオブジブラルタル(IRE)
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
音無 秀孝
騎手
浜中 俊

 大激戦となった今年のマイルCS(G1)を制したのは、3番人気の支持を集めたミッキーアイル。3歳時におけるNHKマイルC(G1)以来のG1制覇を果たしただけでなく、高松宮記念(G1)、スプリンターズS(G1)と続いた惜敗にピリオドを打ってみせた、

 「ゴールの瞬間は勝ったと思って検量室へ向かいましたが、その途中、審議の対象になっていると聞かされて、確定するまでは落ち着きませんでした」とは、ノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任。ミッキーアイルは犬伏主任や育成スタッフの元でトレーニングが行われ、高松宮記念(G1)の後には、久しぶりに北海道で鋭気を養われていた。

 「高松宮記念(G1)はレコード決着となったこともあってか疲れも見受けられました。ただ、目標とするレースまでには時間もありましたし、リフレッシュさせて、いい状態で厩舎へと送り出そうと思っていました」

 育成時から高い完成度を誇っていたというミッキーアイル。3歳夏以来となる牧場での調整となったが、犬伏調教主任はその頃と比較して、どのような変化を感じ取ったのだろうか?

 「その頃と比較した場合だと、気性面の落ち着きが感じられました。調教でもコントロールが効くようになっていましたし、走りにも安定感がありました」

 デビューから3歳時までは、持ち前のスピードを生かすかのように、積極果敢なレースを見せていたミッキーアイルではあるが、4歳時からは控えるレースも見せていくようになる。しかし、今年に入ってからは阪急杯(G3)を逃げ切り、スプリンターズS(G1)でもハナを奪うなど、以前のような行きっぷりの良さを見せるようになってきた。

 「競走馬として、ようやく完成形を迎えたような気がしています。これも、厩舎やジョッキーが試行錯誤してきた結果だと言えるのでしょうし、今回、鞍上を務めてくれた浜中騎手は、結果が出せなかった時期も頑張って競馬を教えてくれていたので、その意味でも感慨深い勝利ですね」

 この勝利でG1 2勝目。芝の短距離戦での安定した走りからも、競走馬としての能力の高さは疑いようが無いが、この勝利で種牡馬としての評価も更に高めることとなった。

 「育成時から種牡馬にしたい馬だと思っていましたし、その価値を自らの力で高めたのには頭が下がります。それでもまだまだ活躍できる馬だと思っていますし、まだまだ大きなタイトルを積み上げてもらいたいですね」

 その大きなタイトルとは、今年、惜しくも2着に破れた高松宮記念(G1)とスプリンターズS(G1)となるのだろうか。いや今回、芝マイルG1を制したことからしても、2度に渡って悔しい思いをしている安田記念(G1)や、コース適性の高さを改めて証明してみせたマイルCS(G1)の連覇も考えられる。次走は12月24日の阪神C(G2)を予定。3歳時には1番人気に支持されながらも7着に敗れたレースであるが、心身共に完成に近づいた今のミッキーアイルなら、鮮やかな逃げ切りを見せてくれるに違いない。