重賞ウィナーレポート

2015年09月13日 京成杯オータムH G3

2015年09月13日 中山競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フラアンジェリコ

プロフィール

生年月日
2008年05月24日 07歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:37戦6勝
総収得賞金
145,343,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
カーリーエンジェル  by  ジヤツジアンジエルーチ(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
斎藤 誠
騎手
田辺 裕信

 ノーザンファーム生産馬、特に7歳馬の活躍が目覚ましい。新潟記念(G3)(パッションダンス)に続いて、京成杯オータムH(G3)でもフラアンジェリコが優勝。しかもフラアンジェリコはこれが重賞初制覇となった。

 「牧場スタッフの誰もが現状に満足することなく、『まだやれる!』との気持ちを持っていることが、生産馬の世代を問わない活躍に繋がっているのではないのでしょうか」とノーザンファーム空港牧場の横山毅調教主任は話す。そのフラアンジェリコだが、横山調教主任にとっては縁のある血統馬でもあった。

 「フラアンジェリコですが、兄のオレハマッテルゼも育成に携わってきました。血統面でも期待が大きかった馬ですが、育成時はおとなしく、手がかからなかったという思い出があります」(横山調教主任)

 兄のオレハマッテルゼは高松宮記念(G1)を優勝するなど、芝の短距離重賞戦線で活躍。一方、フラアンジェリコが良血馬らしい素質を垣間見せたのは、なんとダート戦だった。芝では勝ちあぐんだ後、3歳6月に函館競馬場で行われたダート1700mの未勝利戦を勝利すると、その後、ダート戦では2勝。5歳の3月に、約2年ぶりとなる芝でのレースを勝利してからは、ダート戦には1度しか出走していないものの、昨年の9月には丹頂Sで芝2600mのレースにも出走。様々な適性を見いだされていた。

 「ネオユニヴァースの産駒ということで、ダートも苦にしなかったのでしょう。それでもデビュー以来、様々な条件のレースをほぼ休み無く走り続けたのは凄いことだと思います」(横山調教主任)

 昨年には福島記念(G3)で2着に入り、重賞制覇まであと一歩のところまできたものの、その後は不振が続き、前走の七夕賞(G3)でも11着に惨敗。ハンデ戦となったこの京成杯オータムH(G3)は13番人気、ハンデも53キロと恵まれた感があったが、この斤量を生かすかのように、鞍上の田辺裕信騎手は最後方待機から思い切ったレースを見せる。

 「田辺騎手の騎乗に尽きると思います。それでもゴール前の坂を登ってからの末脚は際だっていましたし、改めて高い能力を持った馬だと感じさせられました」(横山調教主任)

 横山調教主任はこの勝利を、「斎藤誠厩舎、そしてノーザンファーム天栄のスタッフの管理によるところも大きいと思います」とも話す。兄オレハマッテルゼも6歳時に初重賞勝利を高松宮記念(G1)で果たし、その後も京王杯スプリングC(G2)を制するなど、息長く重賞戦線を沸かせた馬。フラアンジェリコもこの重賞制覇を契機として、兄と同じように重賞連覇、そしていつかG1馬となるのかもしれない。