重賞ウィナーレポート

2014年10月18日 府中牝馬S G2

2014年10月18日 東京競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ディアデラマドレ

プロフィール

生年月日
2010年02月22日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:11戦5勝
総収得賞金
188,221,000円
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
角居 勝彦
騎手
藤岡 康太

 昨年は準オープンの条件で挑戦したエリザベス女王杯(G1)。あれから1年。府中牝馬S(G2)で重賞2勝目をあげたディアデラマドレは、今年のエリザベス女王杯(G1)に有力馬の1頭として臨むことになる。

 ディアデラマドレは重賞初勝利をあげたマーメイドS(G3)の後、札幌競馬場で行われるクイーンS(G3)への調整も兼ねて、育成を手がけたノーザンファーム早来牧場の日下厩舎に戻ってきていた。

 「重賞を使った疲れもなく、クイーンS(G3)に向けて順調に乗り込むことができました。レースは展開のあやもあって5着にこそ敗れましたが、最後はいい脚を使って追い込んでくれたように、次に繋がる内容だと思って見ていました」(日下厩舎長)

 レース後には府中牝馬S(G2)へと向かうことが決定。再びディアデラマドレは日下厩舎で調整されていくが、この時にもレースを使った疲れといったものは見受けられなかったという。

 「クイーンS(G3)に向けての調整の際にも感じたことですが、以前とは違って、今はしっかりと身が入っている印象を受けます。府中牝馬S(G2)に向けての調整ですが、牧場では強めの調教もできたほどです」(日下厩舎長)

 その身が入ってきているという言葉を裏付ける、こんな数字がある。マーメイドS(G3)、そしてこの府中牝馬S(G2)と馬体重が444㎏と一緒。勿論、厩舎での調整が行われての数字ではあるが、日下厩舎で乗り込んでいる時は、まだ馬体重があったという。

 「強めの調教ができた理由には、それでも馬体重が減らなかったこともあります。内臓面も含め、身体も強くなってきたのでしょう」(日下厩舎長)

 マーメイドS(G3)とは違ってG1勝ち馬も出走しているなど、まさに試金石となったこの府中牝馬S(G2)。後方からレースを進めたディアデラマドレは、最後の直線で上がり3ハロン最速となる33秒2の末脚を爆発。同じく追い込んできたスマートレイア-の追撃も、半馬身差振り切ってみせる。

 「鞍上の藤岡康太騎手も上手にこの馬の能力を引き出してくれました。レース内容も含め、次に繋がるレースだったと思います」(日下厩舎長)

 その日下厩舎長が次と語るレースとは、勿論、エリザベス女王杯(G1)。昨年は出走メンバー中2位となる、上がり3ハロン34秒2の末脚を使いながらも9着に敗れ、しかもレース後には骨折が判明し、休養を余儀なくされたレース。ディアデラマドレ陣営にとって、その時のリベンジを果たしたいレースではあるが、日下厩舎長はまた違った観点で、このエリザベス女王杯(G1)を勝ちたいレースだと思っている。

 「幸いなことに、これまで様々な名馬たちに携わらせてもらったこともあって、中央で行われている牝馬限定G1で、エリザベス女王杯(G1)の他は全て育成馬たちが勝利するという経験をさせてもらいました。ディアデラマドレには牧場で接してきた時間も長いだけに、なんとか自分たちの目標をここで叶えてもらいたいです」(日下厩舎長)

 このエリザベス女王杯(G1)は、日下厩舎長や厩舎スタッフにとってはリベンジの舞台ではなく、目標達成を祝うレースとなりそうだ。