2014年01月05日 京都金杯 G3
優勝馬:エキストラエンド
プロフィール
- 生年月日
- 2009年04月07日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦6勝
- 総収得賞金
- 246,385,000円
- 母 (母父)
- カーリング(FR) by Garde Royale(IRE)
- 馬主
- (有) 社台レースホース
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- C.ルメール
社台ファーム生産馬の東西制覇となった今年の金杯。東の金杯である中山記念(G3)は、オーシャンブルーが約1年ぶりとなる復活を果たした一方で、西の金杯である京都金杯(G3)は、エキストラエンドが自身初の重賞制覇を飾った。
「前走(毎日王冠(G2))の後、山元トレーニングセンターに戻ってきた際には飛節などに疲れも見えましたが、それが癒えてからは順調に調教も行えるようになりました」とは山元トレーニングセンターの上水司調教主任。エキストラエンドは父ディープインパクト、母は仏オークス(G1)などG1 2勝をあげたカーリングという良血馬。兄弟にはマイラーズC(G2)2勝を含む重賞4勝をあげ、種牡馬としてもロゴタイプを送り出したローエングリンといった活躍馬もおり、エキストラエンドも産まれながらに高い評価を集めていた。
それでも兄弟馬や、他のディープインパクト産駒と比べると、成長曲線が緩やかであるのも事実だった。この良血を相応しい時期に開花させるべく、牧場では決して急ぐことなく調教は行われ、デビューは3歳の1月。その後もコンスタントに厩舎、山元トレーニングセンターを行き来しながら、馬の成長曲線に合わせる形でレースを使われて来た。
「ここ最近では、山元トレーニングセンターの坂路で加速した際に、以前よりも身体が沈み込むようになり、ビュッとした加速も見られるようになりました。そのイメージが初めてとなるマイル戦のマイルChS(G1)で勝利をあげたトーセンラーと重なるような気がして、ひょっとしたらマイルでもいいレースができるのではと思うようになりました」(上水調教主任)
芝の2000mでデビュー戦を迎えたエキストラエンドは、その後も芝の中長距離を中心にレースを使われて来ていた。それはまた同じディープインパクト産駒で、昨年の天皇賞(春)(G1)では2着と、芝の中長距離で安定した活躍を残していたトーセンラーの歩んできた競走成績とも重なっていた。そしてトーセンラーもまた、山元トレーニングセンターで調整が行われてきた馬だった。
今のエキストラエンドの走り、そして完成度ならマイルでも通用するのではと感じた上水調教主任は、管理をする角居調教師に「入厩後の馬の感じを見ながらで構いませんので、マイルのレースも視野に入れてもらえませんか」と連絡をする。その上水調教主任の申し出を角居調教師も快く受け入れた。
「この京都金杯(G3)でしたがトーセンラーだけでなく、そしてエキストラエンドも芝の1800mでは勝ち鞍をあげていることからしても、マイルのペースに戸惑いは無いと見ていました。また、ワンコーナーを回るだけの京都競馬場芝1600mのコースも、エキストラエンドの走りにはあっているのではとも思いました」(上水調教主任)
エキストラエンドは内枠の利を生かし、C.ルメール騎手の手綱にゆだねられながらインコースに進路を取っていく。最後の直線、馬群がばらけたときに見せたビュッという切れのある末脚は、改めてマイル適性の高さを証明した形ともなった。
「競馬はどれだけ手を尽くしても上手くいかないことが多い中で、勝つときにはこれほど全てが上手くいくのだなとも感じました。これも馬の成長力があってのことなのでしょうし、角居先生や厩舎のスタッフの皆さんがいい状態でレースに臨ませてくれただけでなく、C.ルメール騎手が能力を引き出してくれたからこそ、初めての重賞制覇に繋がったのだと思います」(上水調教主任)
3歳春から活躍を見せた半兄ローエングリンも、重賞初制覇を果たしたのは4歳3月の中山記念(G2)。その後、8歳の中山記念(G2)で2度目の勝利をしたように、類い希な成長力で息の長い活躍を見せた。その姿は未来のエキストラエンドにどこか重なってくるようにも思えてくる。