重賞ウィナーレポート

2012年06月10日 エプソムC G3

2012年06月10日 東京競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トーセンレーヴ

プロフィール

生年月日
2008年03月21日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
214,913,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ビワハイジ  by  Caerleon(USA)
馬主
島川 隆哉
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
池江 泰寿
騎手
C.ウィリアムズ

 父ディープインパクト、母ビワハイジ。産まれながらに注目される存在となったトーセンレーヴ。その産まれて間もない姿を、ノーザンファームの中尾義信氏は良く覚えているという。

 「ブエナビスタや全兄弟となるジョワドヴィーヴルと同様に、この頃のトーセンレーヴもまた、個性のある馬体をしていました。母にとってはディープインパクトとの配合で初めての産駒となるわけですが、また新たなタイプの産駒が現れたとの印象を持ちました」(中尾氏)

 その中尾氏が鑑定台に立った「セレクトセール2008」の当歳市場に上場されたトーセンレーヴは、この年の最高落札額となる2億3100万円(税込)の評価をした島川隆哉氏が落札。デビュー前からTVに取り上げられるなど、スターホース級の扱いを受けていくことになる。

 「血統的背景もあってか、せりでは高い評価をいただくことができました。この重賞勝利も含めて、その時いただいた評価に見合う成績を残せるようになってきましたね」

 今回のエプソムカップ(G3)が重賞初制覇となったわけだが、3歳時には日本ダービー(G1)出走の権利を掴んだプリンシパルS、その後もアイルランドT、そして4歳時の洛陽Sと、オープンレースを3勝しており、また青葉賞(G2)や毎日杯(G3)では3着と重賞でも好走を見せている。言わば「重賞に最も近いオープン馬」とも言えたわけだが、重賞の壁を乗り越えた背景には、鞍上を務めたウィリアムズ騎手の存在も大きいと中尾氏は話す。

 「デビューから全て鞍上を務めてくれたのは外国人の騎手の方なのですが、今回は3歳時にも騎乗経験のあるウィリアムズ騎手が、積極的なレース運びでゴールまで導いてくれました。トーセンレーヴ自身の調子も上がっていたのでしょうし、全てがいい結果に結びついてくれました」(中尾氏)

 このトーセンレーヴによるエプソムカップ(G3)の勝利で、母ビワハイジはアドマイヤジャパン(京成杯(G3))、アドマイヤオーラ(弥生賞(Jpn2)、京都記念(G2)、シンザン記念(Jpn3))、ブエナビスタ(阪神JF(Jpn1)、桜花賞(Jpn1)、オークス(Jpn1)、ヴィクトリアマイル(G1)、天皇賞(秋)(G1)、ジャパンカップ(G1)など重賞7勝)、ジョワドヴィーヴル(阪神JF(G1))も含めて、史上初となる兄弟5頭による重賞制覇を達成。改めて日本競馬史に残る名牝としての評価を付け加えた。

 「トーセンレーヴは今回が初重賞勝利となりましたが、まだ馬も若いですし、いずれまた大きなタイトルを取ってくれるのではとの期待も大きいです。また、競走成績にも証明されているようにマイル適性の高さも示しており、今後はその条件でもいいレースを見せてくれるのではないのでしょうか」(中尾氏)

 その言葉に裏付けされるように、陣営は次走に芝1600mで行われる中京記念(G3)を予定。ここでも良血開花を決定付けるようなレースを見せるようだと、秋にはより大きなタイトルの勝利も現実となりそうだ。