2012年05月27日 日本ダービー G1
優勝馬:ディープブリランテ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年05月08日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦3勝
- 総収得賞金
- 292,056,000円
- 母 (母父)
- ラヴアンドバブルズ(USA) by Loup Sauvage(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- パカパカファーム (新冠)
- 調教師
- 矢作 芳人
- 騎手
- 岩田 康誠
「Derby」は世界共通語。競馬を開催するすべての国、そして地域にそれぞれのダービーがあると言っても過言ではないだろう。
すべてのホースマンの目標であり、そして夢。それがダービーというレースなのだ。
日本ダービー(G1)当日。いや、日本ダービー(G1)にいたるまでの数日間、数か月間を、新冠町でパカパカファームを営むアイルランド人のハリースウィーニィ氏は落ち着かない時間を過ごしていた。
「ディープブリランテが日本ダービー(G1)を勝つ可能性のある1頭だということは新馬、そして東京スポーツ杯2歳S(G3)を楽勝したときから思っていました」しかし、3歳になって共同通信杯(G3)2着、スプリングS(G2)2着、そして皐月賞(G1)は3着と勝星からは遠ざかっていた。「このファミリーはマイラー色が濃い。強いライバルが次々と出てくるなかで、距離の延長は馬にとってプラスにならないのではないか」という気持ちと「生産馬が日本ダービー(G1)の舞台を踏めることは本当に嬉しい」思いの間で揺れ動いていたという。そんなハリーさんが最も驚いたのは3番人気というファンの支持だったという。「他にもたくさん強い馬がいる中でディープブリランテの勝利を信じてくれたファンがたくさんいたことが嬉しかった」とレース前の心境を語ってくれた。
そして、嬉しいことはもうひとつ。5枠10番からスタートしたディープブリランテは1コーナーをまわる頃には岩田騎手の意のままに3番手の位置に収まった。
「とてもリラックスして走っているように見えました。厩舎スタッフとジョッキーがディープブリランテのために頑張ってくれたんだと思います」と感謝の言葉を並べた。レースではハリーさんが「強敵の1頭」と思っていたトーセンホマレボシが玉砕的に逃げるゼロスを積極的に追いかける展開になった。前を行く2頭の順番が入れ替わったのは直線坂下。そして、岩田騎手の激しいアクションに応えるようにディープブリランテがトーセンホマレボシに襲い掛かり、交わしたのが200m付近。最後は一杯々々になりながらもフェノーメノの追撃を封じ込んだ。
「ゴールした瞬間は、正直に言って勝ったか、負けたかはわかりませんでした。優勝したことを知ったのは、検量室に向かう途中のことでした」といい、その瞬間の気持ちを「アンビリーバブル」という言葉で表現し「日本ダービー(G1)は、最高のレース。頑張ってきて良かった」と感想を述べた。
勝ちタイムの2分23秒8は、父ディープインパクトとキングカメハメハが作ったレコードに次ぐ歴代3位。そして、7頭の産駒を送り込んだディープインパクトは2世代目にして史上7例目の父仔制覇を成し遂げた。
「ディープブリランテは、生まれたときから素晴らしい馬でした。ひと言でいえばパーフェクト」。ディープインパクト産駒にありがちな線の細さはなく、しっかりとした骨格と筋肉を持って生まれてきたという。
あの春から3年。ディープブリランテと名付けられた「ラヴアンドバブルズの2009」は同年生まれのサラブレッド系7572頭(持込馬、輸入された外国産馬含む)の頂点に立ったのだ。