重賞ウィナーレポート

2011年12月24日 R-NIKKEI杯2歳S G3

2011年12月24日 阪神競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アダムスピーク

プロフィール

生年月日
2009年02月12日 02歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
55,814,000円
ディープインパクト
母 (母父)
シンハリーズ(GB)  by  Singspiel(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
石坂 正
騎手
C.ルメール

 来年のクラシックに最も近いレースとなった感もあるラジオNIKKEI杯2歳S(G3)。この10年でもザッツザプレンティ(02年勝ち馬、菊花賞(G1))、ロジユニヴァース(08年勝ち馬、日本ダービー(Jpn1))、ヴィクトワールピサ(09年勝ち馬、皐月賞(G1))と、三冠全ての勝ち馬が誕生している。

 今年のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)を制したアダムスピークは、三冠レースのどの条件が合っているのだろうか?重賞馬やオープン馬を相手に回しながら、1戦1勝でこのレースを制したことからしても、かなりの器を持った馬であることは間違い無い。

 「初めて厩舎で見たときには、ディープインパクト産駒らしいというのか、線が細く、神経質な馬かと思いました。でも、跨ってみるとそのイメージは180度違っていて、精神的にも安定しているし、馬体のイメージとはかけ離れた乗り味の良さがありました」とはノーザンファーム空港牧場で育成厩舎長を務める細田誠二さん。乗りやすさも手伝って、いつしか厩舎の誰もが背中の感触を味わうようになったという。

 順調に調教も進んだことも手伝って、当初は夏開催でのデビューを目標にしていたが、管理をする石坂正調教師から、「この馬は大きいところも狙える馬になる」との助言を受けて、入厩の時期を暑さも落ち着いた秋に延期。その間に牧場でじっくりと乗り込まれることとなった。

 「入厩の前にノーザンファームしがらきへと送ったのですが、その時に跨ったスタッフからも「これまで乗ったディープインパクト産駒では1番かもしれない」と言われました。その時改めて、自分たちの評価は間違っていないのかもと思えるようになりました」(細田さん)

 2番人気で出走したメイクデビュー阪神では、スローペースの流れの中、折り合いを付けながら先行。直線で抜け出すというレースセンスの良さを見せたが、このラジオNIKKEI杯2歳S(G3)では馬群で我慢しただけでなく、前が空いた瞬間、鞍上の指示に即座に反応して、あっという間に後続を置き去りにした。

 「直線でもまだ馬群から抜け出せなかった時には、どうかなと思いましたが、ジョッキーの判断も良かったのでしょうし、アダムスピークもいい勝負根性を見せてくれました。まずは無事にクラシックまで進んでくれればと思いますが、2戦目でこれだけ内容のあるレースを見せてくれたことは、今後の活躍に繋がってくれると思います」(細田さん)

 また、細田さんは「折り合いも付くので、距離の不安は無い」とも付け加える。ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)と同じ距離の皐月賞(G1)、もしくは一瞬の切れを生かせる日本ダービー(G1)、はたまたペースに関係なく折り合いが付く菊花賞(G1)。三冠レースのいずれに出走しようとも、アダムスピークには願ってもない条件となりそうだ。