2011年06月26日 宝塚記念 G1
優勝馬:アーネストリー
プロフィール
- 生年月日
- 2005年05月17日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:20戦9勝
- 総収得賞金
- 582,909,000円
- 母 (母父)
- レットルダムール by トニービン(IRE)
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- ノースヒルズマネジメント (新冠)
- 調教師
- 佐々木 晶三
- 騎手
- 佐藤 哲三
上半期のクライマックスを飾る大一番、宝塚記念(G1)は6歳馬アーネストリーが栄冠に輝いた。ダービー馬、グランプリホース、年度代表馬を抑え、ついにG1を手にした。
アーネストリーの生産は新冠町の株式会社ノースヒルズ。スタッフ30名、繁殖牝馬70頭がいる。過去には天皇賞(秋)(G1)を制したヘヴンリーロマンスや桜花賞馬ファレノプシス、今年のフェブラリーS(G1)を逃げ切ったトランセンドなど多数のG1馬を生産しており、また育成管理馬としては、スティルインラブやビリーヴなどが名を連ねる。今回の勝利は同牧場グループ馬として20勝目のG1勝ちとなった。
事務所へ案内されると、お祝いのお花やお酒がズラリ。祝福ムードに満ちた雰囲気の中、同牧場のマネージャー、福田洋志さんにお話を伺った。
「今回は前哨戦の金鯱賞(G2)からマイナス2kgの馬体重でしたが、数字以上に馬体が引き締まって見えました。道中、ジョッキーとの息もぴったりでしたし、力は出し切ってくれるだろうと思って見ていました。G1馬が沢山出ていましたから、直線で先頭に立ってからは差されないかハラハラしましたが、残り100mあたりで勝利を確信しました。これまでは能力に身体がついてこない、といった状態でしたが、馬が本当にしっかりしてきました。牡馬での芝の王道路線の勝利ということで、スタッフの士気にもつながる勝利でした。」と、レースの余韻を噛みしめながら語ってくれた。当日は同牧場と同牧場グループの育成施設・大山ヒルズ(鳥取県)のスタッフ15人が阪神競馬場へ応援に駆けつけ、歓喜の瞬間に立ち会った。
本馬は3勝をマークしたレットルダムールの4番仔として誕生した。牧場時代については、「母馬はそんなに大きな馬格ではありませんでしたが、アーネストリーは生まれたときから大柄で馬っぷりが良かったですね。父グラスワンダーのがっちりした体型がうまく生かされていました。病気もせず、順調に育ちました。」と、振り返る。北海道から大山ヒルズで育成されたのち、2歳夏のデビューに至った。
デビュー戦では後にG1馬となるトールポピー、キャプテントゥーレを負かして好発進したものの、一生懸命走りすぎるところがあり、反動が大きかった。陣営は出世を急がず、間隔をとりながらきっちりと勝ち星を掴み、成熟の時を待った。かねてから佐々木晶三調教師は心臓の良さを強調し、素質を高く評価していたという。
「佐々木調教師をはじめ、厩舎スタッフの皆さん、佐藤哲三騎手が大事に育て上げてくれ、能力をうまく引き出してくれました。本当に感謝しています。」と、福田さん。キャリアはまだ20戦。6歳ながら進化の最中だ。
正攻法の競馬で国内トップクラスホースを撃破し、いよいよ主役を張る地位まで上り詰めた。年内は国内戦に専念とのことで、ライバルを迎え撃つ立場にもなる。日本競馬が誇る新王者へ。沢山の支える人たちとファンの期待を乗せて、今後も堂々たる戦いを見せて欲しい。