重賞ウィナーレポート

2017年04月23日 フローラS G2

2017年04月23日 東京競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モズカッチャン

プロフィール

生年月日
2014年02月27日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
288,374,000円
ハービンジャー(GB)
母 (母父)
サイトディーラー  by  キングカメハメハ
馬主
(株) キャピタル・システム
生産者
目黒牧場 (門別)
調教師
鮫島 一歩
騎手
和田 竜二
  • 母サイトディーラー
    母サイトディーラー
  • グランプリボス産駒・サイトディーラーの2017
    グランプリボス産駒・サイトディーラーの2017
  • 放牧地でリラックスするサイトディーラー親子
    放牧地でリラックスするサイトディーラー親子
  • 牧場入口
    牧場入口
  • 目黒さんとモズカッチャンの半弟
    目黒さんとモズカッチャンの半弟

   3歳牝馬クラシック第2弾となるオークス(G1)に向けた重要なトライアルの一戦、フローラS(G2)が4月23日(日)、東京競馬場で行われた。3着までに与えられる優先出走権を手に入れるべく、フルゲートの18頭立ての大混戦を制したのは和田竜二騎手鞍上の12番人気のモズカッチャンだった。

   同馬が生まれ育ったのは日高町豊郷にある目黒牧場。現在は13頭の繁殖牝馬を代表の目黒忠法さんと従業員の2人が主に管理しているという。

   「牧場を継いで約40年になりますが、やっと重賞を勝つことができました」開口一番、そう言いながら出迎えてくれた忠法さん。出産シーズン真っ只中ということあり、レースは自宅で観戦していたそうだが、その時の様子を尋ねると「レース前の週に鮫島先生と電話で話した時に、調子が良いと聞いていたので私も先生もオークス(G1)の権利が取れたらいいな、くらいには考えていましたが、和田ジョッキーが『府中のこの条件は間違いなく合います』との進言もあってここを使うことになったそうです。終わってみればまさにジョッキーの言うとおりでしたね。これまで生産馬が重賞で惜しいレースをしたことは何度もありましたが、今回は直線を向くまでロスなく内をぴったり回って、まさに理想通りのレースでした。これがサイトディーラーの3番仔になるのですが、産まれた時から馬体の良さは目を引きました。成長過程でも問題なく、順調に育ってくれました。母親も大人しいですし、この子も本当に手が掛からなかったですね」

   その後順調に育成されたモズカッチャンは栗東の鮫島一歩厩舎に入厩、12月にデビューを迎えることになったが、その当時はそこまでの大きな期待はしていなかったと言う。「3年ほど前から近くの育成場を間借りして育成も行っているのですが、先生とは『そこそこやれるかな?』くらいの感じで話していて、焦らずにゆっくりデビューさせようとは言っていました。馬の姿形は当歳の頃から今もずっと、良くも悪くも変わらない感じで、テレビ越しに見てもひと目でわかるくらいです(笑)。デビュー戦の内容が悪い感じではなかったので、少しずつ期待へと変わっていきましたが、まさか初勝利から一気に3連勝で重賞まで勝てるとはね」

   愛馬が競馬場で走る姿をまだ生で観戦したことがないという忠法さんだが、本番のオークス(G1)には東京競馬場に応援に駆けつけるそうだ。

   「うちの生産馬は鮫島先生とは相性が良いのですよ。G1勝ちは先生にとっても悲願なので、良い状態で本番を迎えてほしいと願うばかりです。混戦模様のクラシック戦線ですが、大手の馬が人気になるだろうから気楽に見ていたいと思います」

   母サイトディーラーは繁殖牝馬として今がピークの11歳で、モズカッチャンの半弟となるグランプリボス産駒が4月に誕生している。

   「オーナーが種牡馬になったグランプリボスに力を入れていて、今年もすでにグランプリボスを配合しています。先月産まれた当歳もしっかりした作りで、将来が楽しみですよ。あとは今年2歳になる牡馬はモズカッチャンの全弟になります。こちらは栗東の高橋亮厩舎でお世話になる予定ですが、順調に育成が進んでいますよ。いきなり重賞勝ち馬の全弟になってしまったので、先生は驚いているかもしれませんが(笑)」

   取材の帰り間際「モズカッチャンがここまで活躍できたのは調教師と厩舎スタッフの方々のおかげですってことだけは付け加えてください」と感謝の念を忘れない目黒さんの言葉がとても印象的だった。