2016年11月13日 福島記念 G3
優勝馬:マルターズアポジー
プロフィール
- 生年月日
- 2012年02月27日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦6勝
- 総収得賞金
- 235,077,000円
- 馬主
- 藤田 在子
- 生産者
- 山岡牧場 (新冠)
- 調教師
- 堀井 雅広
- 騎手
- 武士沢 友治
秋の福島開催を締めくくる名物レース「第52回福島記念(G3)」が11月13日、福島競馬場で行われ、武士沢友治騎手を背にした7番人気の伏兵マルターズアポジーが、1番人気のゼーヴィント以下に影をも踏ませぬ鮮やかな逃走劇で快勝。3連勝で重賞初制覇を飾るとともに、父ゴスホークケン、そして同馬を生産した山岡牧場にも嬉しいJRA重賞初勝利をプレゼントした。
マルターズアポジーの父は2007年の朝日杯フューチュリティS(Jpn1)を優勝し、同年の最優秀2歳牡馬に輝いたゴスホークケン。母は2003年のフェアリーS(G3)を制したマルターズヒート。
いずれも藤田与志男・在子オーナーの所有馬として活躍し、ゴスホークケンが引退して種牡馬入りした同年に、先に繁殖入りしていたマルターズヒートが花嫁候補として指名されたとのこと。
「亡き藤田与志男オーナーの遺志で、ゴスホークケンの配合相手としてオーナーの所有馬の中でも実績のあるマルターズヒートを配合しました。両馬ともにオーナー夫妻に重賞勝ちをプレゼントした思い入れのある馬でしょうし、その結晶ともいえるマルターズアポジーが結果を残すことができて本当に良かったです。私自身もこれまでJRAの重賞には縁がなかったので嬉しい限りです」と初重賞の喜びを噛み締めながら語ってくれたのは山岡牧場の代表を務める山岡政裕さん。奥さんと娘さんの3人で牧場を切り盛りする傍らで、敷地内にトカチ馬匹という競走馬の運送会社も経営している。
牧場時代のマルターズアポジーについて尋ねると「当歳時から骨太のしっかりした体つきで、両親の良い部分を見事に受け継いだといった感じでしょうか。とても素直で扱いやすく、手の掛からない子でしたよ。1歳の夏までウチで過ごして、その後はファンタストクラブ内の木村牧場さんでデビューまで育成されたのですが、ここまで出世してくれるとはその当時は想像していませんでした」
牧場と運送会社の経営という多忙な毎日を過ごしている山岡さんだが、今回のレースも自宅で観戦していたのだという。「レース後、藤田在子オーナーからお祝いの電話を頂いた際にも『競馬場に来れたら良かったのに』と言っていただいたのですが、家族経営で自分以外に男手がいないですし、なかなか牧場から離れられないのでしばらく競馬場にも足を運べてないんですよ。でも、いずれ機会があればマルターズアポジーの雄姿を目の前で見てみたいですね。この後は金杯に向かう予定と聞いてますので、来年は更なる活躍を期待しています」
初年度産駒がわずか5頭というハンデを背負いながらも、その中からマルターズアポジーが重賞制覇を成し遂げて一躍種牡馬としてもスポットを浴びることになった父ゴスホークケン。孝行息子共々、来年は親子揃って飛躍の年となれるよう願ってやまない。