重賞ウィナーレポート

2015年11月14日 デイリー杯2歳S G2

2015年11月14日 京都競馬場 雨 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エアスピネル

プロフィール

生年月日
2013年02月10日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
466,000,000円
馬主
(株) ラッキーフィールド
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
笹田 和秀
騎手
武 豊

 名牝アイドリームドアドリームから生まれたエアデジャヴーは、自身が果たせなかったG1制覇の夢を、エアメサイアの秋華賞(G1)勝利という形で叶えてみせる。そのエアメサイアも繁殖牝馬となり、母仔2代のG1制覇も期待される中、エアスピネルがその夢を叶えるかのような快走を、このデイリー杯2歳S(G2)で見せた。

 「生まれ落ちから素晴らしい馬でした。足繁く牧場に通われていた吉原オーナーも『デビューが楽しみだね』と話しておられたのですが、その期待に応えることができて嬉しいです」と社台ファームの吉田哲哉氏は笑顔を見せる。

 幼少時のエアスピネルは全く手のかかる馬では無かったと言うが、当時から一流馬としての素質を随所に感じさせていた。

 「立ち姿よりも歩く姿、歩く姿よりも走る姿が目を引く馬でした。オーナーからは『デビュー時期を定めず、馬優先で育てて欲しい』と言われていましたが、とても順調に育成を消化していったことで、早い時期にデビューをさせることができました」(吉田氏)

 レースは先に抜けだしたシュウジを最後の直線で捕らえただけでなく、そこから3馬身半の差を付ける圧巻の走り。ゴール後には鞍上を務めた武豊騎手からも笑顔がこぼれていた。

 「武騎手は母にもずっと騎乗してくれていた方ですし、その縁も嬉しかったですね。メイクデビューを勝った時から『高い能力を持っているだけに、今後もかなり楽しみ』と話してくれてもいました」(吉田氏)

 沢山の嬉しさで包まれた吉田氏だったが、表彰式を見て、また自然に顔がほころんできたという。「中村助手は社台ファームのOBでしたし、笹田先生も研修時には牧場に来られていました。吉原オーナーも含めて、牧場で一緒にいる時間の多かった方と喜びを分かち合えるのは、この上ない喜びとも言えます」(吉田氏)

 吉田氏が見る限り、エアスピネルはレースを使うごとにお尻の筋肉の盛り上がりが目立つようになってきたが、これはキングカメハメハ産駒に見られる成長の証だという。まだまだ2歳馬。その盛り上がりがどんどんと大きくなっていくにつれて、母仔2代のG1制覇の夢は現実となっていくに違いない。