重賞ウィナーレポート

2015年07月22日 ノースクイーンC(GDJ)

2015年07月22日 門別競馬場 曇 重 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンバビーン

プロフィール

生年月日
2010年05月05日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:21戦6勝
総収得賞金
56,508,000円
スズカマンボ
母 (母父)
カーリービッド  by  ティッカネン(USA)
馬主
岡田 隆寛
生産者
岡田牧場 (静内)
調教師
田中 淳司
騎手
岩橋 勇二
  • サンバビーンの半弟インザサイレンス(牡2歳、父リキアイサイレンス)
    サンバビーンの半弟インザサイレンス(牡2歳、父リキアイサイレンス)
  • インザサイレンスの父リキアイサイレンスは岡田牧場の生産馬
    インザサイレンスの父リキアイサイレンスは岡田牧場の生産馬
  • サンバビーンも鍛えられた目名共同トレーニングセンター
    サンバビーンも鍛えられた目名共同トレーニングセンター
  • 木のオブジェで飾られた岡田牧場のアプローチ
    木のオブジェで飾られた岡田牧場のアプローチ
  • 事務所入り口には勝負服の人形が飾られている
    事務所入り口には勝負服の人形が飾られている
  • 岡田牧場の看板
    岡田牧場の看板

 『グランダム・ジャパン2015』古馬シーズンの第2戦は、門別競馬場が舞台の「ノースクイーンカップ」。1番人気に推されたサンバビーンが好スタートからハナを奪ってペースを握り、ゴールまで後続に影を踏ませることなく逃げ切り勝ち。2着馬に6馬身をつける圧勝劇で、移籍2戦目にして重賞初制覇を成し遂げた。

 サンバビーンの生まれ故郷は、新ひだか町静内の岡田牧場。1989年のエリザベス女王杯(G1)を制したサンドピアリスや、2001年のCBC賞(G2)優勝馬リキアイタイカンなど、数々の活躍馬を生産。今年も生産馬のヤマカツエースがニュージーランドトロフィー(G2)に優勝し、先日の函館記念(G3)でも古馬を相手に3着に入る健闘を見せたばかりだ。また地方競馬へも、グランダム・ジャパン3歳シーズンの2代目チャンピオンに輝いたマンボビーンなどの活躍馬を送り出している。

 「サンバビーンは中央でオープンまで行った実績馬ですからね。移籍初戦は本調子ではなく負けてしまいましたが、今回は体調も良く、きっちりと乗り込んで臨めたので、普通に走ってくれれば勝てると思っていました」と話すのは、サンバビーンの生産者であり、オーナーでもある岡田隆寛さん。レース当日は門別競馬場へ駆け付け、現地で声援を送っていたそうだ。「グランダム・ジャパンのタイトルを狙って地方へ移籍してきたので、まず1つ勝ててホッとしています」と胸の内を明かす。

 サンバビーンの幼少期については、「牝馬にしては体が大きく、形の良い馬でした。性格的にはおとなしく、大きな怪我や病気もせず順調に育ちました」と振り返る。岡田さんが代表を務める目名共同トレーニングセンターで育成が施され、2歳11月に栗東の小原伊佐美厩舎からデビューしたサンバビーン。その後、小原調教師の引退に伴い、4歳時に美浦の石栗龍彦厩舎へと転厩。ちょうどその時期に、半年以上の休養を挟んでいる。「休ませて馬がガラッと変わりましたね。4歳夏の札幌で500万、1000万を連勝したのですが、この時に滞在競馬が合っていると感じたことも、地方へ移籍させることになった要因のひとつです」と教えてくれた。

 現在、サンバビーンの半弟に当たるインザサイレンス(牡2歳)が、目名共同トレーニングセンターでデビューに向けて調教されている。こちらの父は、岡田牧場の生産馬であるリキアイサイレンス。この2歳馬がリキアイサイレンス最後の産駒となるそうで、岡田さんの思い入れも特別なものがある。「全兄のエヴォリューションが中央で1勝を挙げていますし、同じ栗東の佐藤正雄厩舎からデビュー予定なので、期待しています。馬体や動きも素晴らしく、走りそうな雰囲気を持っていますよ」と、デビューの日が待ち遠しい様子だ。

 サンバビーンの次走は、地元・門別競馬場で中央馬を迎え撃つ「ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)」。「中央から錚々たるメンバーが出走してきそうですが、地元代表として頑張ってほしいですね。なんとか掲示板を確保してくれないかと期待しています」と愛馬へエールを送る。

 取材を終えた帰り際、「そういえば、明日マンボビーンが牧場へ繁殖として帰ってくるんですよ。グランダム・ジャパンのチャンピオンになった馬ですし、母としてどんな仔を生んでくれるか楽しみですね。サンバビーンも同じスズカマンボ産駒ですが、今年なんとかグランダム・ジャパンのタイトルを獲って、将来は2頭で牧場を盛り上げていってくれることを夢見ています」と、希望に満ちた笑顔で締めくくってくれた。