重賞ウィナーレポート

2015年06月21日 函館スプリントS G3

2015年06月21日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ティーハーフ

プロフィール

生年月日
2010年04月18日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
239,639,000円
ストーミングホーム(GB)
母 (母父)
ビールジャント(GB)  by  Green Desert(USA)
馬主
H.H.シェイク・モハメド
生産者
ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社 (門別)
調教師
西浦 勝一
騎手
国分 優作
  • ダーレーカラーの厩舎
    ダーレーカラーの厩舎
  • レディオブパーシャ-1
    レディオブパーシャ-1
  • レディオブパーシャ-2
    レディオブパーシャ-2
  • ロケーションと風が心地よいビーチヤード場内
    ロケーションと風が心地よいビーチヤード場内
  • 育成担当の三宅マネージャー(右)と繁殖担当の福原マネージャー(左)
    育成担当の三宅マネージャー(右)と繁殖担当の福原マネージャー(左)

  • 雨や強風の時でもお客様に馬を見せることができる厩舎
    雨や強風の時でもお客様に馬を見せることができる厩舎
  • 屋根付き放牧地
    屋根付き放牧地

   北海道に初夏を告げる函館競馬が6月20日に開幕。開幕週の21日には青空と緑の芝が鮮やかに広がるターフで行われたサマースプリントシリーズ第一戦の函館スプリントステークス(G3)が行われ、日高町のダーレー・ジャパン・ファーム生産の4番人気ティーハーフが、2着アースソニックに2.1/2馬身差をつけ勝利した。レース前半は最後方からレースを進め、4コーナーで外へ持ちだされるとあっという間に他馬を抜き去り、力の差を見せつけた。

   「爽快な勝ち方でした。4コーナーでまくってきた段階で勝ちを確信しました。牧場にとっても春の中日新聞杯(G3)以来の重賞勝ちだったので、嬉しかったです」。場内で他のスタッフと一緒に応援していたというダーレー・ジャパン・ファーム育成マネージャーの三宅公彦さんが、嬉しさを噛みしめるように話して下さった。繁殖マネージャーの福原博さんも「派手なレース振りでした。洋芝も向いていたのだと思います。」とにこやかな笑顔を見せた。

   ダーレー・ジャパン・ファームは、日高町を中心に6カ所のヤードを所有し、けい養する繁殖馬は約150頭という大牧場だ。場内はシックな色で統一され、馬を第一に考えて作られていることを感じさせる施設がいくつもある。これまでに2010年NHKマイルC(G1)などを制し現在種牡馬のダノンシャンティ、2012年全日本2歳優駿(Jpn1)などを制しているサマリーズ、2012年フローラS(G2)などを制しているミッドサマーフェア、本年3月の中日新聞杯(G3)などを制しているディサイファ等たくさんの活躍馬を輩出してきた。

   本馬の母ビールジャントは、日本で優秀な繁殖成績を残し、現在はイギリスに戻っている。「扱いやすい性格でスプリンターらしい体型をしていました」。産駒には香港クラシックマイル(G1)をはじめ世界で大活躍をしている半兄ラッキーナイン(父ドバウィ)や、重賞勝利が手の届くところまで来ている全兄サドンストームなどがいる。

   中央で2勝した半姉レディオブパーシャ(父シャマーダル)は、繁殖馬として牧場に戻っている。仏ダービー馬のシャマーダルを種付けし持ち込まれた、ビールジャントの日本での初産駒だ。レディオブパーシャは、現在ダーレー・ジャパン・ファーム ビーチヤードで過ごしている。海風に吹かれ靡く美しい栗毛と筋肉が目を引く。「父がシャマーダルですから、短距離だけではなく長いところもいけそうな雄大な馬格をしています。ケガで現役を引退しましたが、ビールジャントの良い後継繁殖馬になりそうです。」と福原マネージャー。昨年は残念ながら不受胎だったそうだが「初仔(2014年産)のストーミングホーム産駒は幅があり見栄えのする馬体をしています。距離も伸びそうです。」と期待を膨らませていた。

   優秀な兄弟を持ち期待されていたティーハーフの幼い頃について「当歳時は兄サドンストームとよく似ていました。馬体重が示すとおりに、兄よりは若干小柄でしたが、筋肉質で骨量がありバランスのとれた馬体をしていましたね。誰が見ても良いと思うような馬でした。」と福原マネージャー。1歳時に担当していた三宅マネージャーは「似ているけれどサドンストームの方がもう少しワイルドでムキっとした体格をしていて、性格も負けず嫌いでした。それに比べ、ティーハーフは性格もおとなしく優等生でした。兄と比べてどうかなぁと思っていましたが、弟のほうが先に勝ってしまいましたね(笑)。」

   函館2歳ステークス(G3)で3着に入るなど2歳時からずっと活躍しつつも、やっと手が届いた重賞。現在3連勝中。充実の時を迎え「このまま波に乗ってほしい。」と福原マネージャー。「次はもう一つ大きいところを。そして、できれば兄(サドンストーム)も一緒に上っていってほしい。」と三宅マネージャー。「(ラッキーナインLucky Nineと)兄弟3頭が一緒にレース出る可能性だってあると思います。見てみたいです。」楽しそうに語る二人の夢が実現する日が待ち遠しい。