重賞ウィナーレポート

2014年11月30日 京阪杯 G3

2014年11月30日 京都競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アンバルブライベン

プロフィール

生年月日
2009年02月17日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:24戦7勝
総収得賞金
193,688,000円
ルールオブロー(USA)
母 (母父)
チェリーコウマン  by  スプレンデイドモーメント(IRE)
馬主
伊藤 信之
生産者
フジワラフアーム (静内)
調教師
福島 信晴
騎手
田中 健
  • 母チェリーコウマン
    母チェリーコウマン
  • 現在は繁殖牝馬を引退して、功労馬として余生を送っている
    現在は繁殖牝馬を引退して、功労馬として余生を送っている
  • 半姉マイプラーナの当歳(牝、父ワークホース)
    半姉マイプラーナの当歳(牝、父ワークホース)
  • 半姉マイソールラブの当歳(牡、父シニスターミニスター)
    半姉マイソールラブの当歳(牡、父シニスターミニスター)
  • 育成が行われたゴールドアップカンパニー
    育成が行われたゴールドアップカンパニー

 年末の短距離重賞「第59回京阪杯(G3)」は静内御園のフジワラファームが生産した5歳牝馬アンバルブライベンが鮮やかな逃げ切り勝ち。同ファームにとっては、7月19日のアクティブミノル(函館2歳S(G3))に続く今年2勝目の重賞優勝となった。

 レースでは、先手を取り危なげなく逃げ切る強い勝ち方を見せ、今後の活躍に期待を抱かせる内容だったが、藤原俊哉代表は「この馬は産まれた時は少し馬格の見栄えも良くなく、余り期待は持てなかったのですが、トモはその時から立派でした。」と言う。

 本馬は本場で産まれた後に同町豊畑にある同ファームの中間育成場を経て、藤原代表が経営する新冠町万世のゴールドアップカンパニーで育成・調教された。調教では良く走る馬と評価されるようになり、特に坂路では体の特徴が活き素晴らしい走りを見せていたようだ。

 本馬の父はルールオブロー(父キングマンボ)、母は1992年のウインターS(G3)の優勝馬チェリーコウマン(父スプレンデイドモーメント、母チェリーガール)。

 父は日本の競馬に合うと期待されて、門別のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスが種牡馬として導入した馬。現在はアイルランドに帰郷しているが、本馬は父が残した産駒の中で初めての日本での中央重賞馬となる。

 フジワラファームが生産し、重賞優勝のタイトルを持つチェリーコウマンは母として同ファームでは14仔を出産している孝行馬だ。 本馬が、同ファームで最後の出産馬となり、その後、将来の功労馬生活を見据えて同地区の朝野牧場に移動している。

 興味をそそられる配合だが、血統データに詳しい藤原社長によると「今回は偶然が重なっての事でしたが、まずまずの配合です。それより(アンバルブライベンは)20歳の繁殖馬が産んだ馬ですからね。歳とった繁殖の馬は走らないなどと言えませんよ。」と母チェリーコウマンを称える。母が産まれた1989年は、当時、牧場で生産した10頭の内9頭が牝馬だったこともあり牧場では大変な思いをした年で、今回の本馬の快挙は藤原社長にとっても思い入れ深い記憶が蘇ってきているようだ。

 産駒初重賞制覇で、日本に名を残した父ルールオブローの関係者の思いもある様子で、この優勝はフジワラファームとともに多くの周囲の人たちの喜びとなった。

 今秋、25歳になった母チェリーコウマンは功労馬展示事業登録して引退したが、最後の仔が朝野牧場で産まれて今年で1歳。既に笠松競馬場に入厩し来年デビューする予定だという。牝馬で名前はカツゲキミユ(父パーソナルラッシュ)。本馬のG1戦線への挑戦とともに半妹への応援もお願いしたい。