重賞ウィナーレポート

2014年07月06日 CBC賞 G3

2014年07月06日 中京競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トーホウアマポーラ

プロフィール

生年月日
2009年01月29日 05歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:18戦6勝
総収得賞金
143,212,000円
フジキセキ
母 (母父)
トーホウガイア(USA)  by  Unbridled's Song(USA)
馬主
東豊物産 (株)
生産者
竹島 幸治 (門別)
調教師
高橋 亮
騎手
福永 祐一
  • 母トーホウガイア
    母トーホウガイア
  • トーホウアマポーラ1歳6月 竹島牧場提供
    トーホウアマポーラ1歳6月 竹島牧場提供
  • 面子の下には「タツノオトシゴ」のような流星 トーホウアマポーラ1歳9月 竹島牧場提供 
    面子の下には「タツノオトシゴ」のような流星 トーホウアマポーラ1歳9月 竹島牧場提供 
  • 竹島幸治さん 自宅庭前にて
    竹島幸治さん 自宅庭前にて
  • 厩舎前に咲くアマポーラ
    厩舎前に咲くアマポーラ
  • 本場看板
    本場看板

 生まれ故郷では、満開のアマポーラが祝福をしていた。

 サマースプリントシリーズの第2戦。中京競馬場で行われた「CBC賞(G3)」は、日高町の竹島幸治さん生産の4番人気トーホウアマポーラが、中団から脚を伸ばして優勝。高橋亮調教師とともに初の重賞タイトルを手にした。ちなみに同調教師の初勝利を飾ったのも本馬である。鞍上は、高橋師と騎手時代同期の福永祐一騎手で、昨年に続くCBC賞(G3)連覇。話題の重なる勝利となった。

 竹島幸治牧場は、日高町門別地区に位置している。竹島さんの奥様がこだわりを持って手がけている美しい花々が咲き乱れる美しい牧場で、そのガーデニングは日高支庁から表彰されたこともある。

 約50年の歴史の中で、2008年マーメイドS(G3)を勝ったトーホウシャインや2010年マリーンC(Jpn3)を勝ったトーホウドルチェ、2004年CBC賞(G2)2着などスプリント戦線で長く活躍したゴールデンロドリゴ等、多くの活躍馬を輩出している。現在は、預託の繁殖馬6頭を繁養しており、トーホウアマポーラも1歳の10月頃までここで過ごしていた。

 レース当日、場主の竹島さんは自宅のテレビで観戦していた。「あまり人気にもなっていませんでした(4番人気)ので、掲示板に載れれば良いかなと思っていました。4月以来のレースでしたし、直線が平坦ではない中京コースは、スピードよりも力が要求される競馬になることが多くなる印象を持っていました。ですから、喜びよりも驚きの方が大きかったです」とレースをふりかえった。

 馬名の「アマポーラ」は、初夏に見ごろを迎える「ヒナゲシ」や「ポピー」とも呼ばれる花のスペイン名。本馬は、出生後まもなくこの名をもらったそうだ。はじめてオーナーに本馬を見せた際、牧場にある馬見せ場には赤いアマポーラがびっしり咲いていた。それを見たオーナーが歌を歌ってくれ、その場で命名された。それは、竹島さんにとっても印象に残るできごととなった。

 美しい花の名前から馬名の一部をもらったトーホウアマポーラだが、生まれて間もないころは首が短く胴長で、上体がかった馬体をしていたそうだ。「とにかく食欲旺盛で、飼い葉桶はいつも空にしていましたし、水もよく飲んでいました。健康優良児でした」と竹島さんは牧場時代の想い出を話してくれた。

 それはトレセンの厩舎に移動してからも変わらず、デビュー前から勇退するまで管理した田島調教師からも「レースをつかっても飼葉食いが落ちない」という言葉をもらった。それは、しっかりと腹袋をつくってから育成場へ送り出すようにしている竹島さんにとっても、嬉しい言葉になった。

 次走も、サマースプリントシリーズでの活躍が期待されるトーホウアマポーラ。竹島さんは「平坦ならスピードを持っているので楽しみ」としつつも、「無事に上を目指して、無事に繁殖になって帰ってきてほしい」と何より本馬の無事を祈っている。

 故郷のアマポーラは今日も美しく咲き誇る。

 健康優良児だった少女は、その名にふさわしい立派な美しい娘へと成長した。更なる大輪を咲かせてくれることを期待したい。