重賞ウィナーレポート

2014年06月25日 帝王賞(中央交流) Jpn1

2014年06月25日 大井競馬場 曇 不良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ワンダーアキュート

プロフィール

生年月日
2006年03月14日 08歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:39戦12勝
総収得賞金
876,306,000円
カリズマティック(USA)
母 (母父)
ワンダーヘリテージ(USA)  by  Pleasant Tap(USA)
馬主
山本 信行
生産者
フクダファーム (三石)
調教師
佐藤 正雄
騎手
武 豊
  • 福田さん、半姉ワンダーグラスとその当歳(牡、父サマーバード)
    福田さん、半姉ワンダーグラスとその当歳(牡、父サマーバード)
  • 本馬がデビューした頃の母ワンダーヘリテージ
    本馬がデビューした頃の母ワンダーヘリテージ
  • お父さんの福田清さんも元気な姿を見せている
    お父さんの福田清さんも元気な姿を見せている
  • 新ひだか町三石清瀬に位置するフクダファーム
    新ひだか町三石清瀬に位置するフクダファーム
  • フクダファームの放牧地、河川敷の硬い石と肥沃な土が本馬を丈夫にしたという
    フクダファームの放牧地、河川敷の硬い石と肥沃な土が本馬を丈夫にしたという

 昨年までの過去の5年間、ダート重賞戦線を賑わしてきたワンダーアキュートが2年ぶりにJpn1を快勝した。

 G1・Jpn1の優勝2回、2着7回、3着5回でG2・Jpn2とG3・Jpn3合わせて優勝が4回、2着2回と20回の重賞レースで馬券に絡む活躍を続けてきた。なかでもジャパンCダート(G1)での3年連続2着、フェブラリーS(G1)2年連続3着は記憶に新しい。

 生産牧場のフクダファーム(新ひだか町三石清瀬)の福田真一さんは「ようやく勝ってくれましたね。8歳になるし本当に頑張ってくれた。有り難いことです。武騎手の好騎乗にも感謝しています。」と安どの表情を見せる。

 福田さんの胸の内には、‘そろそろ年だろうか’という不安も過っていたようだが、もう一度勝たせてやりたいと‘自分が競馬場へ応援に行かなければ勝つ’というジンクスを頼って自宅で応援したそうだ。レースでの年を感じさせない快勝に「勝つときはあっさりと勝ってしまう。そんなもんだね。まだまだ挑戦できるよ。」と、とても嬉しそうだ。

 この日は、フクダファームにもう一つの嬉しいニュースがあった。種牡馬入りしている4歳年上の半兄ワンダースピード(父キンググローリアス)の産駒ミトノレオ(浦河山口義彦牧場生産)がホッカイドウ競馬の第4競走JRA認定フレッシュチャレンジ競走(2歳新馬)で優勝したのだ。

 「びっくりしました。ワンダースピードがワンダーアキュートの露払いをしてくれたのだと思います。ありがたい話です。産駒まで大事なレースで勝ってくれた。」と同じダート重賞路線で活躍した愛馬を称賛する。

 実は、この兄弟2009年のシリウスS(G3)、2009年ジャパンCダート(G1)、2010年みやこS(G3)で3度兄弟対決をしている。中でも2009年のシリウスS(G3)はワンダーアキュートが1着、兄のワンダースピードが5着と兄弟ともに好成績を残した。フクダファームにとっては、この2頭は7年間に渡って多くの重賞をもたらしてくれた大変な孝行馬だ。

 話は変わるが、この兄弟の母ワンダーヘリテージ((USA)、父Pleasant Tap)が2月に死亡した。「疝痛で、前に手術していましたから、今回はもう手術できない状態でした。苦しんで可哀想だから獣医さんに安楽死の処置をしてもらったのです。やるせなかったです。ほかの兄弟もほとんど勝ちあがっていたし、本当にすごいお母さんでした。他の馬には厳しかったけれど人の言う事は良く聞いて自分らの考えもわかる様でした。きっと母親が2頭の活躍を天国から後押ししてくれたんだと感じています。」と福田さんも母ワンダーヘリテージの死に肩を落とす。

 兄弟は、牡馬が多くいたが、現在フクダファームには後継馬として四番仔のワンダーグラス(父グラスワンダー)が戻り、1年で死亡した種牡馬サマーバードを父に持つ貴重な当歳がいる。元気でバネのありそうな仔でとても可愛い。

 また、現在現役で活躍する8番仔の4歳ワンダーフロレゾン(父アルデバラン)も将来同牧場に戻る予定だ。

 本馬の帝王賞(Jpn1)の快挙に将来への様々な想いを巡らすフクダファームだった。