重賞ウィナーレポート

2014年04月20日 皐月賞 G1

2014年04月20日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:イスラボニータ

プロフィール

生年月日
2011年05月21日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:6戦5勝
総収得賞金
752,027,000円
フジキセキ
母 (母父)
イスラコジーン(USA)  by  Cozzene(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (浦河)
調教師
栗田 博憲
騎手
蛯名 正義

 今年の牡馬クラシック一冠目となる皐月賞(G1)を制したのは2番人気の支持を集めたイスラボニータ。生産牧場である白老ファームは、11年の三冠馬となったオルフェーヴル以来のクラシック制覇となった。

 「初めてとなる芝2000mの条件や、左回りと不安視する声も聞かれてはいましたが、これまでのレースで示した能力からしても、勝ち負けの競馬を見せてくれるはずと期待していました」とは白老ファームの橋本裕充場長。皐月賞(G1)当日は中山競馬場まで応援に出かけていたという橋本場長だが、パドックでのイスラボニータの姿は、その期待とはまた違ったものとして映っていた。

 「物見をしながら歩く姿はまだ子供っぽさも残っているように感じられました。それでも馬体の仕上がりは素晴らしかったですし、とても柔軟な、まるで猫のような動きをする馬だとも改めて思いました」(橋本場長)

 メンバー中唯一の重賞2勝馬ながら、生まれたのは5月21日。自分よりも3か月早く産まれている馬も出走している中で、イスラボニータがパドックで子供っぽさをのぞかせることは、仕方のないことなのかもしれない。

 ただ、レースでは実に大人びた姿を見せる。1枠2番から出走したイスラボニータは、これまでのように好位からレースを進めるのではなく、それよりもやや後方、中団に待機しながら折り合いを付けていく。

 「これまでのレースからは鞍上の指示に従う賢さと、勝負どころで動けるセンスを持った馬だなとは思っていましたが、今回の位置取りは驚きと共に、この舞台で自在性を持ち合わせたレースをしてくれていることが頼もしくも感じました」(橋本場長)

 最後の直線、蛯名騎手の指示通りに先行勢を射程圏内に置いたイスラボニータは、グングンと加速しながら先頭に踊り出る。

 「直線に入ってからの手応えは抜群でした。ただ、何度も手前を変えていたのが、初めての右回りだからというのか、まだ子供っぽいというのか、それとも余裕があるからだというのか。いずれにせよ思い出に残るゴール前の走りでした(笑)」(橋本場長)

 それでも手前を変える姿が印象に残るほどの完勝というのか、能力の違いを発揮した皐月賞(G1)。白老ファームにとっては、オルフェーヴル以来3年ぶりの皐月賞(G1)となる。実はそのオルフェーヴルもまた、5月(14日)に生を受けた馬だった。

 「オルフェーヴルもそうですが、5月生まれということからしても、まだダービー(G1)までに心身共に成長した姿を見せてくれるはずです。それも全て、この馬をこの舞台に導いてくれた牧場スタッフ、育成スタッフ、そして厩舎の皆さんや蛯名騎手のおかげなのでしょうし、改めて皆さんに感謝するばかりです」(橋本場長)

 3年前の皐月賞(G1)で強さを見せつけたオルフェーヴルは、そのまま日本ダービー(G1)も先頭でゴール板を駆け抜けた。良く似たバックボーンを持つイスラボニータもまた、伝説的名馬となった先輩の姿を追うかのように、この世代の頂点に立とうとしている。