重賞ウィナーレポート

2013年09月05日 秋桜賞(GDJ)

2013年09月05日 名古屋競馬場 曇 重 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピッチシフター

プロフィール

生年月日
2010年04月30日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:19戦8勝
総収得賞金
44,230,000円
スズカマンボ
母 (母父)
サンディシフター(USA)  by  Crafty Prospector(USA)
馬主
(有) グランド牧場
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
川西 毅
騎手
大畑 雅章
  • ピッチシフターが生まれ育った新ひだか町静内のグランド牧場
    ピッチシフターが生まれ育った新ひだか町静内のグランド牧場
  • スズカマンボやラブミーチャンなどのG1馬もここから巣立った
    スズカマンボやラブミーチャンなどのG1馬もここから巣立った
  • グランド牧場の育成調教コース
    グランド牧場の育成調教コース
  • グランド牧場の勝負服が貼られたトラクター
    グランド牧場の勝負服が貼られたトラクター

 名古屋競馬場で行われた『グランダム・ジャパン2013』古馬シーズンの第6戦「秋桜賞」を、2番人気の地元所属馬ピッチシフターが制した。3番手追走から4コーナーで早くも先頭に立ち、ゴールでは後続を3馬身離す快勝だった。

 ピッチシフターの生まれ故郷は、新ひだか町静内のグランド牧場。『グランダム・ジャパン』シリーズに多くの優勝馬(イチリュウ、コテキタイ、ハードデイズナイト、ハニーパイ)を送り出している、1927年設立の歴史ある牧場だ。新ひだか町静内(真歌繁殖場、真歌トレーニングセンター、プリモファーム)、新冠町(高江繁殖場)、岩手県(遠野ステーブル)に拠点を構え、天皇賞馬スズカマンボや全日本2歳優駿馬ラブミーチャンといったG1馬を筆頭に、スズカコーズウェイ、スマートジョーカーなど、多くの重賞馬を生産している。その代表生産馬で種牡馬となったスズカマンボから、ピッチシフターのような自家生産・所有の活躍馬が出てくれることは、牧場にとってこの上ない喜びだろう。

 「強い競馬でしたね。2歳時から堅実に走っている馬ですが、ここへきてますます力をつけています。ホッカイドウ競馬から移籍後も好成績を残してくれて、川西毅調教師の手腕も素晴らしいと思います」とレースの感想を語ってくれたのは、同牧場の伊藤佳幸社長。2歳時にダートグレードの「エーデルワイス賞(門別)(Jpn3)」で2着した実績を引っさげ、名古屋競馬へと移籍。すると、いきなり3連勝で重賞を制覇し、JRAの桜花賞トライアル「チューリップ賞(阪神)(G3)」へ果敢に挑戦。その後しばらく勝ちきれないレースが続いたものの、ここへきて前走の「MRO金賞(金沢)」に続き重賞を2連勝。完全に息を吹き返した。

 ピッチシフターが牧場で過ごした時代について伊藤社長に伺うと、「病気やケガをすることもなく、順調に育ちました。馬体は小柄でしたが、スズカマンボ産駒らしく丈夫な馬になりましたね」と振り返る。420kg台と決して大きくはない馬体だが、2歳5月のデビューから休むことなく走り続け、3歳夏までに遠征も含めて19戦を消化。JRAの芝レースへも2度挑戦し、4競馬場(笠松、園田、金沢、名古屋)で重賞を制してきた。そのタフさと成長力から、先々の楽しみが広がる。

 「秋はJBCレディスクラシック(Jpn1)出走を視野に入れています。開催地の金沢は、実績のあるコースですしね」と伊藤社長。出走が叶えば、グランド牧場出身の偉大な先輩ラブミーチャンと同日に、大観衆の前でJpn1の舞台へ立つこととなる。それはピッチシフターにとって、大きな成長の糧となることだろう。

 「来年は、グランダム・ジャパンの古馬シーズンを意識していくことになるでしょう。そして将来は、母サンディシフターの後継として、立派な繁殖牝馬になってくれることを期待しています」とエールを送る伊藤社長。繁殖となってからも長く『グランド牧場ブランド』を背負っていく存在となるために、さらに大きな舞台での活躍を期待したい。