重賞ウィナーレポート

2013年01月30日 川崎記念(中央交流) Jpn1

2013年01月30日 川崎競馬場 晴 稍重 ダ 2100m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ハタノヴァンクール

プロフィール

生年月日
2009年05月16日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
237,946,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ハタノプリエ  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
(有) グッドラック・ファーム
生産者
有限会社グッドラック・ファーム (門別)
調教師
昆 貢
騎手
四位 洋文

 南関東に春を告げる川崎記念(Jpn1)。今年は、長くダート界をけん引してきたスマートファルコンやトランセンド、フリオーソらの引退を受けて、次代を担う王座決定戦の様相となった。

 1番人気になったのは昨秋のJBCクラシック(Jpn1)を圧勝し、ジャパンCダート(G1)、東京大賞典(G1)でも堅実な走りを見せたワンダーアキュート(牡7歳)。この馬に昨年のジャパンダートダービー(Jpn1)の覇者ハタノヴァンクール(牡4歳)が挑戦状を叩きつけるような格好になった。互いのプライドをかけた大一番。結果は、先行したワンダーアキュートをマークするような形でレースを進めたハタノヴァンクールが、早めに仕掛けて抜け出して優勝。

 生産者のグッドラック・ファーム(日高町)は2つ目のビックタイトルを手中にした。

 牧場のテレビでレースを観戦していたという羽田和男場長は「レース後のジョッキーの話を聞くと、まだコーナーで置かれるようですが、ようやく馬が競馬を覚えてきたような印象です。今回は4コーナーで勝利を確信できる、強い内容だったと思います」と嬉しそうにレースの感想を述べた。

 デビュー間もないころはスタートに難があって、追い込む競馬を余儀なくされてきたハタノヴァンクールだが、昨秋以降、歴戦の古馬相手にキャリアを重ねながら強さを増してきた。

 「競馬ですから頂点を目指してほしい。当面の目標は帝王賞(Jpn1)と聞いていますが、大目標は秋のジャパンCダート(G1)。そのためにはもっと器用さを身に付けてほしい」と期待に胸を膨らませている。

 牧場時代のハタノヴァンクールは「5月生まれですから、同じ放牧地にいた早生まれの馬に比べると、どうしても小さく見えました。それでも、生まれ月を考えれば、よい馬だと思っていましたよ」と記憶の糸をたどってくれた。「兄姉はみんなダートで勝鞍をあげていますが、この馬は少しタイプが異なり、とくに前脚の繋ぎが柔らかくバネを感じさせる動きをしていたことが印象に残っています」といい「それでも、やっぱりダートでしたね」と苦笑い。

 そんなハタノヴァンクールが目に見えてよくなってきたのは1歳春頃からだったという。「良い土地と、良い草がこの馬を育ててくれたと思います。それにしても、500キロの馬になるとは思いませんでした」と嬉しい誤算に笑みが絶えない。

 「今回は挑戦者の立場でしたし、斤量も差がありました。まだまだ強い相手と競馬をしなければなりませんが、この馬もまだ成長する余地があると思います。とにかく無事に走ってほしい」と願い「私たちは、ハタノヴァンクールやテイエムイナズマに続く馬を送り出させるように頑張るだけです」と言う。そんな牧場の期待を担う形になった母のハタノプリエは、今年はハービンジャーの子を出産予定で、無事に生まれたあかつきにはキングカメハメハを配合予定だという。

 「楽しみは楽しみですが、兄姉すべて栗毛なんです。そういう意味でも、どんな子が生まれるか楽しみです」と心待ちにしている。