重賞ウィナーレポート

2012年07月29日 クイーンS G3

2012年07月29日 札幌競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アイムユアーズ

プロフィール

生年月日
2009年01月15日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
249,752,000円
ファルブラヴ(IRE)
母 (母父)
セシルブルース  by  エルコンドルパサー(USA)
馬主
ユアストーリー
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
手塚 貴久
騎手
池添 謙一

昨年の阪神JF(G1)では2着、今年の桜花賞(G1)では3着、オークス(G1)でも4着に入った実力のある3歳牝馬が、古牝馬を一蹴した。このレース、52㎏で出走したアイムユアーズは先行抜けだしのまさに優等生たるレースぶりで、ラブフールの追い込みを首差退ける。3着にも51㎏の斤量を背負ったミッドサマーフェアが入り、3歳世代のレベルの高さを証明した。

「オークス(G1)の後に牧場へ帰ってきて、秋に向けて調整をしていこうと思った矢先、クイーンS(G3)が52㎏で出走できるということを伝えられました。疲れや傷んだ様子もなかったですし、オーナーや調教師の先生とも相談した結果、ここに向けてローテーションを切り替えることとなりました」とはノーザンファーム早来牧場の日下和博厩舎長。しかし、今後のローテーションが決まったとはいえ、ただ、レースに使うだけではいけなかった。勿論、目指すは勝利であり、しかも今後に繋がる馬作りも求められることとなったのだ。

「こちらに戻ってきたとき、疲れなどが無かっただけでなく、経験や成長も積んで馬が逞しくなったような印象もありました。この成長を損ねないようにしながら調教を続けていくと、減っていた馬体重も回復し、成長に見合った馬体になってくれました」

このクイーンS(G3)でプラス24㎏という馬体重が表示されたとき、札幌競馬場内からはどよめきに似た声が起こっていたのも事実だった。だが、パドックに姿を見せたアイムユアーズは決して重々しくなく、むしろグラマラスな馬体で他の馬を圧倒しているようにも見えた。

「レース内容もそうですが、この馬体で勝てたことが大きいと思います。また芝の1800mで上手く立ち回ってくれたことも今後に繋がりますね」

日下さんが話す今後というのは、勿論、クラシック最後の一冠である秋華賞(G1)。ここには今年の二冠牝馬であるジェンティルドンナを始め、クイーンS(G3)の3着馬ミッドサマーフェアなど、レベルの高い3歳牝馬勢も目標としている。

「京都2000mという条件は、よりレースもしやすくなると思います。今後は秋華賞(G1)の1か月前までこちらで調整して、厩舎へ移動となりますが、僕らとしてはいい状態で送り出してあげて、あとは陣営に託すだけです」

強い馬こそいますが、一泡吹かせてもらいたいですね、とも付け加えた日下さん。ただ、このクイーンS(G3)で見せた成長度、そして安定したレースぶりに加わった強さが加味されれば、一泡吹かすどころか、最後の一冠を手中にできるのではという気がしてこないでもない。