重賞ウィナーレポート

2010年12月04日 ステイヤーズS G2

2010年12月04日 中山競馬場 晴 良 芝 3600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コスモヘレノス

プロフィール

生年月日
2007年05月06日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:14戦4勝
総収得賞金
139,217,000円
グラスワンダー(USA)
母 (母父)
スターフェスタ  by  エリシオ(FR)
馬主
(有) ビッグレッドファーム
生産者
ナカノファーム (門別)
調教師
菊川 正達
騎手
松岡 正海
  • 母スターフェスタ
    母スターフェスタ
  • 母スターフェスタはステイゴールドを受胎
    母スターフェスタはステイゴールドを受胎

  • スターフェスタ2010(牝、父ホワイトマズル)
    スターフェスタ2010(牝、父ホワイトマズル)
  • 放牧地と厩舎
    放牧地と厩舎
  • 玄関を埋め尽くすたくさんの花
    玄関を埋め尽くすたくさんの花

 師走中山開催の風物詩ともいえるマラソン重賞、第44回ステイヤーズS(G2)は、3歳馬コスモヘレノスが並みいる強敵を抑え重賞初制覇を飾った。

 生産牧場の日高町ナカノファームは平成元年に中野富夫さんと奥様、従業員1名の3人で創業。牧柵作りから放牧地の整地まで3人で力を合わせて一から築き上げて来た。現在は13頭の繁殖牝馬を切り盛りしており、02年の共同通信杯(G3)、毎日杯(G3)を制したチアズシュタルク以来8年振りの重賞制覇となった。

 レース当日も厩舎作業の合間にテレビ観戦したという中野富夫さん。「パドックを見た時は前走(アルゼンチン共和国杯(G3)3着)より良くなっているなと感じました。この馬なりにどんどん成長してるんだ、と。でも相手は強いし、そう簡単には勝てないだろうという思いの方が強かったです。最後の直線で見失ってしまい、ここまでか!と思ったら突き抜けて来たからビックリしましたよ」と想像を超える成長をみせた生産馬に、驚きを隠せない様子だった。

 コスモヘレノスは2007年5月6日、母スターフェスタの5番仔として誕生した。「競馬の経験がないスターフェスタは箱入り娘というか、わがままなところがあって気性がきつく、それを受け継いだ産駒たちもまた気性の問題で大成できませんでした。なので、少し落ち着いた気性の種馬ということでグラスワンダーを種付けしたんです」中野さんの思いは通じ、生まれた子馬は手のかからない素直な馬に成長して行った。

 同年7月に行われたセレクションセール・サラブレッド当歳に上場。現馬主でもある(有)ビッグレッドファームに525万円で落札された。「まだ生後2か月で他の上場馬に比べたらかなり小さく、毛もボーボーで見栄えは良くなかったと思うんですが、脚長でガッチリとした母譲りの体型を評価していただいたようです。さすがの相馬眼ですね」。

 生産馬はどの馬も平等に大切なものだが、コスモヘレノスが中野さんにとって“特別な馬”となったのは、長男・将大さんの結婚式が行われた今年1月9日。「中山3Rの未勝利戦で生産馬のヴィーナススマイル、9Rの 寒竹賞でコスモヘレノスが勝ってくれて、いきなり2連勝。息子の門出に最高のプレゼントをしてくれました。今回もさらに大きなプレゼントを 貰って、また明日からも頑張ろうという気持ちで一杯です。無事に、一つでも前の着順を目指して息の長い活躍をして欲しいですね」と晴れの舞台を彩ってくれた愛馬に、感謝を込めてエールを送った。