重賞ウィナーレポート

2004年12月12日 鳴尾記念 G3

2004年12月12日 阪神競馬場 雨 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サクラセンチュリー

プロフィール

生年月日
2000年04月03日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:16戦5勝
総収得賞金
296,491,000円
サクラローレル
母 (母父)
サクラヒラメキ  by  ノーザンテースト(CAN)
馬主
(株) さくらコマース
生産者
谷岡牧場新和分場 (静内)
調教師
佐々木 晶三
騎手
佐藤 哲三
  • 母サクラヒラメキと主任の高市さん(右側)とスタッフの若竹さん、斉藤さん、中村さん
    母サクラヒラメキと主任の高市さん(右側)とスタッフの若竹さん、斉藤さん、中村さん
  • 母サクラヒラメキの顔
    母サクラヒラメキの顔
  • 馬服姿の母
    馬服姿の母
 本馬のふるさとは静内町田原の谷岡牧場新和分場(現在新和牧場に改名されている)。旧御料牧場の西側に位置しており繁殖牝馬16頭、育成馬約60頭を繋養する規模の大きな牧場で、37名のスタッフとともに谷岡毅(つよし)社長が歯切れ良く統括している。近年では平成8年有馬記念を制した本馬の父でもあるサクラローレル(現在アロースタッドに繋養中)などを輩出し、冠名“サクラ”で馴染みの深い牧場だ。サクラエイコウオー、サクラスピードオー、サクラチヨノオーの繋養馬3頭は見学させて頂くことが出来る。(案内所・当ホームページで見学条件を確認してください)

 同牧場にとっても久しぶりの重賞制覇に谷岡社長も胸を撫で下す。「この馬が今回のようなレース展開をしたのは初めてです。こんな脚を持っていたのですね。これからは本格的な古馬戦線に向かい楽しみになりました」(谷岡社長)と4コーナーから最内を強襲し今年の重賞馬たちを押し切った快勝に喜ぶ。
 本馬の母サクラヒラメキはノーザンテーストの直仔とあって、期待された1頭だった。母は本場(谷岡牧場・静内町)で生まれ、中央9戦2勝後に早くして牧場に戻り繁殖生活を送っている。今年までに13仔の産駒をもつ仔だしの良い母親だが、谷岡社長は「過去に馬体も大きくスピードがあり期待した仔がいましたが、デビュー前に故障してしまいました。本馬はその兄と似ていましたね。第8仔となる本馬がようやく結果を出してくれて嬉しいですよ」と待ちかねていた仔の活躍に笑顔が絶えない。

 母サクラヒラメキは繁殖の放牧地に寒気用の馬服を着て元気そうにしている。馬体は大きくないが、案内して頂いた主任の高市さんは「本馬は500kgと大きいですが、生まれてくるのは、大きい仔が多いですね。母親は人の手が掛からない方ですよ。期待していただけにようやく産駒が勝ってくれて良かったです」と入厩時より母の世話をしてきた高市さんもほんとに嬉しそうだ。
 これからさらに期待の膨らむ兄弟だが、3歳半妹のサクラヴァニータは地方で現役として活躍しており、2歳の全弟はデビューを控えて調教中。1歳の半弟(父ティッカネン)は同牧場で育成中だ。来春はまた父サクラローレルで出産予定という。

 積雪こそ無いが、冷え込んでいる日高で新和牧場の谷岡社長、事務所や厩舎のスタッフの方の笑顔が大変温かく、今後の活躍を期待させられる。本馬の快挙がもたらした影響は大きいようだ。

 尚、先日引退したサクラプレジデントは現在この牧場で休養しており、まもなく同町のレックススタッドに移動して本格的に種牡馬生活に入る予定。

第57回鳴尾記念(GII)は、単勝3番人気のサクラセンチュリーが直線で内を付き、鋭く伸びて快勝。16戦目で念願の重賞初勝利を収めた。