馬産地コラム

サクラキャンドルを訪ねて~新和牧場

  • サクラキャンドル
    サクラキャンドル
  • 丸みをおびた馬体で若く見える
    丸みをおびた馬体で若く見える
  • のんびりと秋を満喫している
    のんびりと秋を満喫している
  • 一緒に過ごしているサクラヴィクトリア(左)とサクラメガ(右)
    一緒に過ごしているサクラヴィクトリア(左)とサクラメガ(右)
  • なかなか顔を上げてくれないキャンドルの代わりにサクラメガがポーズをきめてくれた
    なかなか顔を上げてくれないキャンドルの代わりにサクラメガがポーズをきめてくれた

 「サクラ」の冠がつく馬で知られる新和牧場は新ひだか町静内にて「生産から育成・調教」に至るまで全てを一貫して行う総合牧場として強い馬作りに取り組んでいる。そんな新和牧場で生まれ育ち、1995年のエリザベス女王杯(G1)で10番人気ながら見事に勝利を飾り、現在はゆったりと余生を過ごしているサクラキャンドルを訪ねた。

 現役時代は新馬戦を単勝1.9倍の1番人気に応え優勝したがその後は好走するも勝ち切れないレースが続いた。一息入れた秋は自己条件戦に勝ち、クイーンS(G3)快勝後、人気薄で出走したエリザベス女王杯(G1)も勝って、兄サクラチトセオーの天皇賞(秋)(G1)のG1初勝利に続きG1制覇を成し遂げた。翌年秋の府中牝馬S(G3)を快勝して引退。生まれ故郷で繁殖入りした。

 父サクラユタカオー、母サクラクレアー、母父ノーザンテースト(CAN)という血統で、父サクラユタカオーは天皇賞(秋)(G1)、毎日王冠(G2)、大阪杯(G2)、共同通信杯4歳S(G3)など6勝をあげた。主な産駒にサクラバクシンオー(JRA賞最優秀短距離馬)、エアジハード(JRA賞最優秀短距離馬、安田記念(G1)、マイルチャンピオンシップ(G1))などがいる。母サクラクレアーは代表産駒にサクラチトセオー(JRA最優秀古牡馬、9勝、天皇賞(秋)(G1))、サクラメガ(サクラメガワンダー(2009年金鯱賞(G2)、2006年2008年鳴尾記念(G3))の母)がいる。

 「育成馬や現役休養馬を傍におかず、のんびり過ごせる雰囲気にしたかったのでここから2キロほど離れた牧場で生活しています。功労馬だから大切にしてあげたい、長生きして欲しいのです。もちろん成績があがらなかった馬達だって同様です。」新和牧場で生まれ育ち、競走馬として活躍したのち帰って来てくれた馬達を大事にする谷岡毅同牧場代表。どこかが痛いとか、馬体に変化が見られた時には薬を持って行ったり処置をしたりと獣医師としてもケアを欠かさず手厚く見守っている。

 「当時サクラクレアーの兄弟や母親はいわゆる性格がキレるタイプが多くてとてつもなく危険なファミリーだと聞いていたのですが、サクラクレアーはキレる性格ではありませんでした。そんな母の性格を受け継いだサクラキャンドルのエリザベス女王杯(G1)と言うとレース当日にアメリカ、キーンランドのせりに知人と訪れていた事を思い出します。出走する事は知っていましたが人気も勝てそうな話も無かったものですから特別気に留めていなかったように思います。知人が優勝した事を教えてくれましたがピンと来なかったので日本に電話して勝利を確認したんですよ。」その笑顔から、21年前の懐かしい思い出は実に楽しいものだったという事が伝わってくる。

 のんびり暮らせるようにと選ばれた放牧地では、3頭の功労牝馬がゆっくりと歩きながら草を食んでいた。毎日世話をしている原さんによると「キャンドルは24歳にしては年齢を感じさせない丸みを帯びた馬体で、食欲もあり体調も良好です。2002年の関東オークス馬サクラヴィクトリアとサクラセクレテーム(2009年の函館記念(G3)など重賞2勝サクラオリオンの母)と3頭で放牧していたのですが、残念ながら今年の夏にサクラセクレテームが亡くなってしまったのでサクラキャンドルの妹のサクラメガが新しい仲間として加わりました。みんな長生きして欲しいです。」暖かい眼差しで馬達を見つめながら近況を話してくれた。

 新和牧場の功労馬に会うため訪れるファンは年間700名を超えるそうだ。谷岡代表の「長生きしてもらいたい」という願いから作られた環境でスタッフとファンに大切にされるサクラキャンドルはじめサクラファミリーは平和な日々を満喫しているようだ。


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