馬産地コラム

ファイナルフォームを訪ねて~モモセライディングファーム

  • 2014年10月22日
  • ファイナルフォーム
    ファイナルフォーム
  • しっかりとした身体
    しっかりとした身体
  • 常に穏やか
    常に穏やか
  • 見通しが良い馬房
    見通しが良い馬房

 2014年10月1日に引退したファイナルフォーム(牡5、社台ファーム生産)を訪ねた。札幌市清田区にあるモモセライディングファームで、乗馬としての第2の生活をスタートしたばかりだ。

 父ディープインパクト、母ファイナルデスティネーション。母はニュージーランド1000ギニー(G1)、ベイヤークラシック(G1)の勝ち馬と、期待の良血だった。2012年3月の3歳未勝利戦でデビューし勝利。ラジオNIKKEI賞(G3)ではヤマニンファラオに2馬身差をつけて重賞勝利を果たした。これからまだまだ飛躍できるはずだったが、喉の具合が悪く、回復の見通しがたたなかったため、引退をよぎなくされてしまった。生涯成績10戦3勝 獲得賞金8,974万7,000円。

 ファイナルフォームは引退した翌日、モモセライディングファームにやってきた。「担当の厩務員さんから大人しい子だと聞いていましたがその通りでした。」そう話してくれたのは百瀬利宏さん。乗馬インストラクターや乗馬調教、競技会への出場など精力的にこなしている。「来た当初から今も変わらず、とても大人しくて、何があってもバタつかない落ち着いた子なので、去勢もしていないんですよ。」とても競走馬を引退したばかりの5歳牡には見えない穏やかな表情。動じることもなく、新しい環境に溶け込んでのんびりとしている。ここでも大器ぶりを発揮しているようだ。

 ファイナルフォームが入っている厩舎は壁が無く、柵で仕切られているタイプで見通しが良く、他の馬達の様子がよく見える。「柵越しに鼻を付け合せてコミュニケーションとって、隣近所仲良くやっています(笑)。まだ会わせてはいませんが、テレグノシスやマグナーテン、フサイチホウオーとも仲良くやっていける子ですね。」と、性格の良さもお墨付きのようだ。体調も良く、馬体も維持していて他の馬達より大きく見える。「もともと身が入っていて馬体がしっかりしていますね。今は週に3回くらい私が乗って、乗馬としてのトレーニングをしています。あとの4日は、調馬索で地上横木をまたいだりして、この場の雰囲気に慣れてもらおうと思っています。」

 これからについては「できれば来春のノーザンホースパークの競技に出るのを目標にトレーニングしていきますが、無理はしません。足元は怪我もなく綺麗なままなので心配はしていませんが、喉のことがあるので様子をみながらです。このまま健康に育ってくれたらと思っています。いつか乗馬で、かわいがってくださるオーナーさんがついてくれたら良いなって思っています。」

 若くて才能があり、性格も穏やかなイケメン。競技会で会えるのを楽しみに、応援して行きたい!