馬産地コラム

ニッポーテイオーを訪ねて~うらかわ優駿ビレッジAERU

  • 2014年10月20日
  • ニッポーテイオー
    ニッポーテイオー
  • 31歳には見えない
    31歳には見えない
  • 愛称はポーちゃん
    愛称はポーちゃん
  • 呼ぶと来てくれる
    呼ぶと来てくれる

 浦河町西舎にある、うらかわ優駿ビレッジAERUにニッポーテイオーを訪ねた。

 AERUでは功労馬仲間として、ヒシマサルやウイニングチケットと同じ厩舎で生活をしている。

 父リイフォー(GB)、母チヨダマサコ。新馬戦の大差勝ちで非凡な能力を垣間見せた。その後なかなか2勝目をあげられなかったためマイル~中距離路線へ方針変更、才能を開花し昭和末期のマイル帝王として輝かしい成績を上げ続けた。

 通算戦績21戦8勝(2着8回、3着2回)内、1600m以下10戦6勝(2着4回) 生涯連対率76%、獲得賞金5億4,498万8,000円、獲得タイトル1987年最優秀4歳以上牡馬・最優秀スプリンター、1986年最優秀スプリンター。主な勝ち鞍は1986年ニュージーランドトロフィ4歳ステークス(G3)、函館記念(G3)、スワンステークス(G2)、1987年京王杯スプリングカップ(G2)、天皇賞秋(G1)、マイルチャンピオンシップ(G1)、1988年安田記念(G1)。

 引退後はレックススタッドで種牡馬入りした。産駒では、インターマイウェイ(大阪杯(G2)、函館記念(G3))、ダイタクテイオー(毎日杯(G3))、そして何度負けても一生懸命走る姿で人気になったハルウララ(113連敗)などを輩出した。2000年、種付けシーズン後に種牡馬を引退、AERUにやって来た。

 AERU厩舎長太田篤志さんは「去年は30歳にもなるのに全く衰えず若々しい体つきで、放牧地を走り回ったりしていたんです。ですが、昨年末にずっと仲の良い友達だったダイユウサクが亡くなってしまい、元気が無くしょんぼりして食欲も無くなってしまったんです。」と心配そうにニッポーテイオーに目を向ける。「今年に入り、初夏の頃にやっと落ち着いて、ヒシマサルやウイニングチケットと絡めるようになってきたのでホッとしました。」安堵の表情を浮かべる。食べる量も復活したそうだ。「朝も、スタッフが出勤する姿が見えた瞬間から鳴き出して朝ごはんを早くくれと急かすんです。功労馬の中でも一番食欲があって、一番最初にペロッと食べ終わっちゃいますし、どんなにあげても全部食べてくれるから本当に助かってます!」元気に長生きの秘訣は、この食欲のようだ。

 写真を撮るため近づいても嫌がったり怒ることも、無視することも無く自然に振舞ってくれるし、呼んだら目を見ながらこちらに歩いて来てくれる。人懐っこくてたまらなくかわいい!訪れるファンやスタッフからは「ポーちゃん」と呼ばれかわいがられている。

 「今年で31歳ですが、大きな怪我もなくのんびりした環境でのんびりした毎日をすごしています。乗馬みたいに大人しくて、乗れちゃうんじゃないかって思ってしまうくらいです(笑)。人に優しい馬なので、みんなにかわいがられていますよ。このまま、ずっと元気で長寿日本記録を目指してもらいたいです!」太田さんやスタッフのみなさん、ファンの願いが届きますように!