馬産地コラム

ジョーカプチーノを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2014年05月09日
  • ジョーカプチーノ
    ジョーカプチーノ
  • 現役時代と比べると、少し馬体の白さが増してきた印象
    現役時代と比べると、少し馬体の白さが増してきた印象
  • 2シーズン目に入り、種牡馬らしくなってきた
    2シーズン目に入り、種牡馬らしくなってきた
  • 今年、待望の初年度産駒が誕生している
    今年、待望の初年度産駒が誕生している

 2009年のNHKマイルカップ(G1)の覇者ジョーカプチーノ(ハッピーネモファーム生産)を訪ねた。今年、待望の初年度産駒が誕生し、新冠町の優駿スタリオンステーションで2シーズン目の種牡馬生活を送っている。

 「1シーズン経験して、だいぶ種牡馬らしくなってきましたね。体つきが変わってきました。普段は穏やかな気性で、人に悪さをすることはありません。賢い馬で、種付けは上達しました。受胎率も問題ありませんね。」と、紹介してくれたのは、優駿スタリオンステーション主任の山崎努さん。昨年は28頭と無事交配し、今年も順調に種付けをこなしている。

 マンハッタンカフェ産駒のジョーカプチーノは2006年生まれの8歳。ダートのデビューから4戦目で初勝利を挙げると芝に矛先を変え、500万特別、ファルコンS(G3)と連勝してオープン入り。トライアルで3着の後迎えたNHKマイルカップ(G1)では10番人気の低評価を覆し、2番手追走から素晴らしい脚力でトップに立ち、見事G1タイトルを手にした。その後は故障のため長期休養を余儀なくされたが、1年半近いブランクを克服して復帰戦で3着に入ると再び息を吹き返し、5歳春のシルクロードS(G3)では3つ目の重賞タイトルを加えた。

 6歳時に出走した京王杯スプリングカップ(G2)を最後に引退し、優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。数多くのG1馬を送り出し、とりわけ日高管内産と相性の良いマンハッタンカフェの後継種牡馬として、期待がかかっている。「何頭か当歳馬を見せさていただきましたが、父に似ている馬が多かったです。仕上がりの早さ、馬っぷりの良さを受け継ぎ、息長い活躍ができる馬を送り出していきたいですね。」と、山崎さん。父自身、ダートでも勝ち星があるだけに、馬場適性不問の結果を望めそうだ。

 ともあれ、種牡馬としての魅力はその卓越したスピード能力の遺伝だろう。現役時代、短距離戦ながらも楽々と前方へ取りつく脚色はこの馬の身上だ。0.1秒を争う馬場、高速決着でヒケを取らない産駒を出すのではないか。山崎さんは、「今の番組体系やスピードを求められる競馬には合いそうなタイプです。結果が全ての世界なので、まずは一頭でも多く交配牝馬を集めて、勝利につなげていきたいと思っています。」と、意気込んでいる。