馬産地コラム

ディープスカイを訪ねて~ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックス

  • 2012年11月19日
  • ディープスカイ
    ディープスカイ
  • 躍動感たっぷりに放牧地を駆ける
    躍動感たっぷりに放牧地を駆ける
  • 体調は良好
    体調は良好
  • 今年は過去最多の交配頭数を記録
    今年は過去最多の交配頭数を記録

 ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスで種牡馬生活を送るディープスカイ(笠松牧場生産)を訪ねた。待望の初年度産駒は来年デビュー。ダービー馬の血を求めて、良血、実績の繁殖牝馬が結ばれ、せり上場産駒には購買希望者のサインが飛び交っている。

 「タフな馬で、今年の種付けも問題なくこなしました。シーズンオフの現在も健康そのもので、リラックスした日々を送っています。」と、近況を語るのはダーレー・ジャパン ノミネーションマネージャーを務める加治屋正太郎さん。今年は過去最多の188頭と種付けし、種牡馬としての飛び出しは順風満帆。見学期間中は多くのファンが来場したという。

 早朝、ディープスカイが放牧地に向かうところに立ち会う。その名の通り青い空が広がっている。引き手スタッフと呼吸を合わせて放たれると、返し馬をするようにサッと走り出した。緑の大地に栗色を弾ませる。「雄大な馬格で、従順な気性。種牡馬の中でも見栄えのする馬です。」という、加治屋さんの言葉も納得だ。

 競走成績は17戦5勝。2008年の東京優駿日本ダービー(Jpn1)、NHKマイルカップ(Jpn1)を制している。鋭いキレでライバルを一蹴し、抜け出す脚は鮮やかで、力強かった。父はリーディングサイアーに輝いたアグネスタキオン。種牡馬としては競合相手が多いサンデーサイレンス系だが、初年度産駒デビューを前に人気は上昇している。その理由はどこにあるだろう。

_父に似ている。

 当歳馬、1歳馬を紹介する生産者の声を思い出す。「父に似ている。」馬産地では何気ないフレーズだが、そのひと言の語気が何か違う。

 たびたび、「父ディープスカイ」を見る機会がある。栗毛の好馬体。肉づきの良さ。軽やかな動き。品のある顔立ち。父同様、迫力満点に弾けそうな、そんな印象を心に描かせる。遺伝力の強さは、産駒が走る前から生産者の目を惹きつけている。せりで、近所で、インターネットでそれを確認した生産者が、富川に馬運車を走らせる。3年目にグイッと交配頭数が上がるパターンは、あまり聞いたことがない。

 「父の長所を受け継ぎ、将来性豊かな産駒が続々と生まれています。成功種牡馬としての道は開けているので、あとは結果を出すのみです。」と、加治屋さんの表情は澄んでいる。やおらディープスカイは涼しい顔。その成功は願いを密にした使命かもしれない。果たすだけの力があることを、多くのホースマンは信じている。