馬産地コラム

ロジータを訪ねて~高瀬牧場

  • ロジータ
    ロジータ
  • 子や孫と一緒に放牧されている
    子や孫と一緒に放牧されている

 地方競馬のビッグレース・東京ダービー、川崎記念、東京大賞典、桜花賞などを制し、繁殖牝馬としても子孫に数々の重賞馬を送る名牝ロジータ(高瀬牧場生産)を訪ねた。2010年より創設された世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN」ではロジータの素晴らしい活躍をモデルに、“ロジータふたたび”のキャッチフレーズを掲げ、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進の道しるべに彼女は立っている。

 ロジータが過ごすのは新冠町の高瀬牧場。長らく住み慣れた故郷でゆったりと余生を過ごしている。代表の高瀬良樹さんに近況を伺うと、「病気することもなく、健康状態は良好です。若い頃は気性のキツい馬でしたが、歳もとって穏やかになりました。」と、26歳の今を伝えてくれた。

 5年前に繁殖生活を引退してからも、日中は他の繁殖牝馬と一緒に放牧され、飼い葉も同じメニューを与えている。「年相応の体つきですが、具合の悪いところはないですね。歯も丈夫だし、脚元も問題ありません。飼い葉も残さず食べきっています。」と、高瀬さん。厳しい冬に耐えるため馬体の毛はふさふさに生え、目には力があり、特に顔つきは老いを感じさせない。これまで15頭を産んだだけあって、心身ともに頑丈にできているようだ。

 現役時代は牡馬相手に東京ダービーを制し、地方ダート重賞を8勝。ダートのみならず、中央遠征のオールカマー((G3)、芝2200m)では怪物オグリキャップ相手に健闘を見せ、絶対能力の高さは屈指であると示した。産駒リストを眺めると、これまた驚異的な実績が綴られる。3番仔オースミサンデー(弥生賞(G2)2着)、5番仔イブキガバメント(朝日CC(G3)、鳴尾記念(G3))、6番仔カネツフルーヴ(帝王賞(G1)、川崎記念(G1)他、種牡馬)、10番仔アクイレジア(ジャパンダートダービー(G1)2着)とオープン馬を生み出し、孫世代にも初仔シスターソノの仔レギュラーメンバー(JBCクラシック(G1)、川崎記念(G1)他、種牡馬)、2番仔オウケンガールの仔オウケンマジック(中央3勝、種牡馬)を出している。競走馬としても母としても、これほどまでの立派な成績を残した牝馬はそうは挙がらない。

 「繁殖牝馬としても本当に優秀でしたね。扱いやすい馬で、受胎も出産も良くて、たくさんの仔に恵まれました。人間に対して悪さをすることはありませんが、馬同士では強くて、いつも輪の中ではボスでした。そういう親を見て仔にも度胸がつくというか、気持ちが強い仔が多かったです。」(高瀬さん)

 21歳の時に生んだ最後の仔、オースミイレブン(牡5歳)は現在5勝を上げ、ダートG1を意識させる成長を見せている。とりわけ前走の甲南S(1600万)では8馬身差の圧勝劇で、トリにふさわしい大物になるかもしれない。

 牧場ではロジータの子アクイレジア(父フォーティナイナー)、イズミバード(父サンデーサイレンス)、ヤマノボンディール(父ダンスインザダーク)、孫となるオウケンガール(父マーベラスサンデー)が繁殖入りし、ロジータ系の更なる繁栄を目指している。

 高瀬さんは、「自分の人生の中でロジータの存在はかなりのウェイトを占めているし、やはり思い入れは特別です。これからもロジータの子孫で強い馬を作って、G1制覇を果たしたいです。」と、生産者としてのストレートな気持ちを伝える。ロジータには、「長生きして欲しいですね。これからも平穏無事な暮らしをさせてあげたいです。」と、感謝を込めて声をかけ、その顔を撫でた。高瀬さんの言葉を察しているかのように、ロジータもおばあちゃんらしい穏やかな表情で応えていた。


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