馬産地コラム

レディパステルを訪ねて~ケイアイファーム

  • 2012年02月02日
  • レディパステル
    レディパステル
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    レディパステル
  • 現在、キングカメハメハの仔を受胎している
    現在、キングカメハメハの仔を受胎している

 2001年の優駿牝馬オークス(G1)の勝ち馬・レディパステル(シンコーファーム生産)を訪ねた。現在は新ひだか町三石にあるケイアイファームで繁殖生活を送っている。

 同牧場の杉山寿広さんに近況を伺うと、「元気いっぱいに過ごしています。放牧時にチャカついたり、気の強さを見せたりすることはありますが、繁殖牝馬として非常に良い体つきで、出産、子育てもバッチリです。」と、明るい表情で語る。現在はキングカメハメハを受胎中で、春の出産に向けてお腹を大きくしている。

 3年間の現役生活を経て、引退後はアイルランドで繁殖生活を送ったレディパステル。2年続けてロックオブジブラルタルが交配され、最初に生まれたロードバロックが3勝、次に生まれたロードロックスターも3勝を挙げ、京都新聞杯(G2)では3着に好走。共に現役馬として奮闘中だ。

 2頭の仔を産んだ後、レディパステルはアイルランドから帰国。輸送や環境の変化で、コンディションを整えるのにやや苦労したそうだが、今では状態面に何の不安もない。昨年は父ディープインパクトの牝馬が無事誕生した。

 「明け1歳の仔はレディパステルに似ていますね。落ち着きがあって、動きも良いです。仔馬の傾向を見ていると、牡馬だとどっしりした感じで、牝馬だと繊細な面があるので、そのあたりを意識しながら育てています。」と、杉山さんは教えてくれた。

 2012年1月29日、京都競馬場で行われたメイクデビュー京都(芝2000m)では、5番仔ロードアクレイム(父ディープインパクト)が接戦を制し、故郷に朗報を届けている。「スローペースでも折り合いがついていましたし、評判馬が揃っていたレースでよく勝ってくれました。まだまだ成長途上にあると思うので、今後が楽しみです。」と、杉山さんは笑顔を作る。母仔G1制覇の望みを感じさせる好素材だ。

 「繁殖牝馬として上々の結果を出していますし、自身の仔でも大きなレースを勝てたら最高ですね。現役時代の走りがそうだったように、古馬になってもパワーアップできる特長は十分受け継がれています。どの馬にも息の長い活躍が期待できそうですね。」と、杉山さん。オークス馬の威信にかけて、母・レディパステルの頑張りは、必ずや大きな実をつけることだろう。