馬産地コラム

ロンドンブリッジ2011

  • 2011年12月27日
  • ロンドンブリッジ2011
    ロンドンブリッジ2011
  • ロンドンブリッジ2011(左)
    ロンドンブリッジ2011(左)
  • ロンドンブリッジ2011
    ロンドンブリッジ2011
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    ロンドンブリッジ2011

 ロンドンブリッジ2011 2011年5月18日 牝 青鹿毛
 父ディープインパクト
 母ロンドンブリッジ

 2004年のオークス馬ダイワエルシエーロの半妹(牝、父ディープインパクト)を日高町の下河辺牧場に訪ねた。

 「お母さんのロンドンブリッジも、もうすっかりベテランになりました。2年ほど仔馬に恵まれませんでしたが、こうして元気に産まれて嬉しいです。この馬には、とても大きな期待をしています」と下河辺牧場の下河辺隆行さん。2011年秋の北海道馬産地見学ガイドツアーにご参加いただいた方々にとっては2度目の紹介になるが、あれから1ヶ月半後。離乳を終えて、より逞しさを増した同馬がいた。

 オークスなど重賞4勝のダイワエルシエーロ、同じく重賞2勝のビッグプラネット、JRA7勝のダイワディライト…。ダイワエルシエーロの仔は高いレベルで堅実だ。かつて、同牧場の下河辺行雄さんがロンドンブリッジのことを「当牧場の“エース”です」と紹介してくれたことを思い出した。サラブレッドの配合は“エース”には“エース”を。ロンドンブリッジの配合相手には「これしか考えられなかった」というディープインパクトが選ばれて、そして生まれたのが本馬だ。

 取材当日は居心地のよい放牧地で仲良しの「ケイウーマンの2011」とともに過ごしていた。青鹿毛の本馬と黒鹿毛のトモダチ。両方の後ろ脚に短いソックスをはいているのが本馬で、額に小さな星があるのがトモダチだが、とくに遠めにはちょっと見分けがつかない。

 「毛色は祖父サンデーサイレンスゆずりですね。でも、この体全体の雰囲気、とくにしっかりした後躯などは祖父よりも父のディープインパクトが出ていると思います」と頼もしそうだ。ディープインパクト産駒なので他を圧するような迫力はないが、放牧地で見せる何気ない仕草のひとつひとつが柔らかさに満ちていて、品の良さをうかがわせる。「お母さんは少し気の強いところがありますが、この馬は普段は落ち着いています。離乳もストレスなくクリアしてくれました。こうした精神的な強さも含め、この馬には大変大きな期待をしています」と1歩ずつの成長を楽しみにしている様子だ。そうした期待の大きさは、2011年もディープインパクトを配合したことからもうかがえる。

 「ロンドンブリッジ自身が桜花賞(G1)2着馬で、半姉のダイワエルシエーロがオークス(G1)に優勝していますから、距離に対する融通性はあると思っています。ディープインパクトの産駒としては標準くらいの大きさだと思いますし、1600mから2000mくらいの距離で活躍して欲しいですね」と期待に胸を膨らませている。