馬産地コラム

エイジアンウインズ2011

  • 2011年12月22日
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 エイジアンウインズ2011 2011年3月10日 牡 鹿毛
 父コンデュイット
 母エイジアンウインズ 

 2008年のヴィクトリアマイル(Jpn1)勝馬エイジアンウインズの初仔を新ひだか町の藤原牧場に訪ねた。

 ほんの少し力を加えただけで壊れそうな高級ガラス細工に例えられそうなエイジアンウインズの現役時代。ゆっくりと、そして大切に育まれた素質は、まだ歴史の浅い牝馬G1競走でまばゆいばかりのスポットライトを浴びることになる。

 父は内国産種牡馬のエース格フジキセキ。母系にはサドラーズウェルズやヌレイエフ、エルコンドルパサーといった名馬の名前はズラリと並ぶ名門ファミリーだ。フジキセキ×ディンヒル×フォーティナイナー×ニジンスキーと世界中の名血が集められた血統にもまばゆいばかり。G1ウイナーの勲章を手に海外遠征に夢を馳せたが、それは断念。結局、ウオッカをやぶったヴィクトリアマイルから1年が過ぎた頃、静かに現役生活にピリオドに打った。繁殖牝馬としての生活を送る藤原牧場にやってきたのが09年6月。そこから約10か月という時間をかけて繁殖牝馬としての体づくりを行い、そして2011年3月に「配合はオーナーが決めました」というコンデュイットの牡馬を出産した。

 「最初の種付けで受胎しましたし、出産も楽。初仔は、母親の方が戸惑うことがあるのですが、まるでベテランのように面倒を見ていました。今年もキングカメハメハを受胎しています。」と同牧場の藤原代表も褒める。さすが世界中にその血を広げる名門ファミリーといったところか。

 骨太で筋肉質な栗毛の馬体は「毛色だけで言えば父親ゆずりですが、両親のよいところを受け継いでいると思います。初仔とは思えないほどにしっかりとした馬ですね」とスタッフ。落ち着いた性格も男らしく頼もしいという。

 父のコンデュイットは、エイジアンウインズがヴィクトリアマイル(Jpn1)を勝った2008年の全米最優秀芝牡馬。強烈な末脚を武器にセントレジャーS(G1)、キングジョージⅥ&クインエリザベスS(G1)に勝ったほかブリーダーズCターフ(G1)はレース史上2頭目となる連覇を達成している。過酷なローテーションで挑んだジャパンカップ(G1)でも外国馬最先着の4着となって日本の馬場適性、そして高い能力を証明している。

 「500キロにはならないと思いますが、馬格的には十分かと思います。父からはスタミナと強靭なバネ、母からはスピードと瞬発力、賢さを受け継いで欲しいですね。どの馬でもそうですが、最初の目標は無事に競馬場に送り出すことです」と期待している。