馬産地コラム

スエヒロジョウオー2011

  • 2011年12月20日
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 スエヒロジョウオー2011 2011年3月15日 牡 鹿毛
 父ディープスカイ
 母スエヒロジョウオー

 1992年の阪神3歳牝馬S(G1)(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)を制したスエヒロジョウオーのラストクロップ、第15番仔を新冠町の小泉牧場に訪ねた。

 「スエヒロジョウオーは小泉牧場に初めてG1タイトルをもたらしてくれた馬。来年は22歳になりますし、配合するときからこれが最後の産駒と決めていました。1歳年上にはアドマイヤムーンの牝馬。そして最後に男馬を産んでくれるのですから、さすがスエヒロジョウオーだと思いました」と小泉さんが紹介してくれたのが3月15日に生まれた本馬だ。父には強烈な末脚を武器にNHKマイルC(Jpn1)とダービー(Jpn1)を制したディープスカイが選ばれた。その理由については「サンデーサイレンス系の中で、若くて可能性のある馬、と聞いています」と教えてくれた。また、生まれた仔については「毛色こそ母親似ですけど、骨太でボリュームがある馬体は父親似だと思います。」と評価しているという。

 スエヒロジョウオーはたくさんの思い出を小泉牧場に運んでくれた馬だった。名血ではあるが、決して高い評価を得ていたわけではないトウショウペガサスの第3世代産駒として産まれ、現役時代は400キロに満たない小さな体で頑張った。デビュー2戦目に勝ちあがったときは8頭中6番人気。きんせんか賞で2勝目をあげたときはシンガリ人気で単勝万馬券となり場内をあっと言わせ、9番人気で快勝した阪神3歳牝馬SはG1史上最高配当(当時)の馬連を演出した。

 繁殖牝馬としても重賞2勝スエヒロコマンダーの父となり、そのスエヒロコマンダーは北海道競馬出身でファンタジーS(Jpn3)に勝ったイナズマアマリリスの父となった。スエヒロジョウオーの仔コウエイベラドンナは先に行なわれた朝日杯フューチュリティS(G1)で2着になったマイネルロブストの母になっている。

 そんなスエヒロジョウオーのラストクロップとなった本馬は、離乳も無事に終了し、放牧地で仲間と遊ぶ日々を送っている。「子煩悩な母親でしたけど、子どもとはうまい距離感を保っていました。だから、この馬も人に慣れていますし、手がかかるようなところはないですね」と、その母親ぶりに感心しきり。そして「両親ともに1マイルのG1勝馬ですが、ディープスカイはダービー馬。スエヒロジョウオーの仔スエヒロコマンダーも長い距離で活躍してくれました。この馬もマイルから中距離くらいの距離で活躍してくれることを期待しています」という牧場の思いをしっかりと受け止めてすくすく育っている本馬をとても頼もしそうにしている。