スリーローマン2011　2011年2月11日生まれ。牡　鹿毛　
父スズカマンボ
母スリーローマン 

　今でもはっきりと覚えていることがある。「スリーロールスは、まだ未完成な馬だと思います。これからは相手がもっと強くなると思いますが、この馬にも成長の余地は十分にあると思います。来年がとても楽しみです」。

　生産馬のスリーロールスが8番人気で菊花賞(Jpn1)を制したあと、武牧場の山ノ井紀明場長はキッパリと、そう言いきった。

　しかし。その“来年”が来ることはなかった。悪夢の有馬記念(G1)。幸いにして一命は取りとめることができたが、スリーロールスはそのレースを最後に引退して種牡馬になった。

　本馬は、その弟だ。

　父のスズカマンボは、スリーロールスの父ダンスインザダークと同じサンデーサイレンス直仔のステイヤー。2歳時にレコード勝ちを記録し、4歳春の天皇賞(春)(G1)を制したトップステイヤーだった。加えるならば、ダンスインザダークの母ダンシングキイとスズカマンボの祖母キーフライヤーが全姉妹という関係で、この両頭は血統的にも似る部分が多い。

　「期待の大きな配合というのはもちろんですが、夢が広がる配合だと思います」という。生まれたときの印象は「馬格にも恵まれ、骨と筋肉に恵まれた、しっかりとした馬だという印象です」と喜んでいる。

　2月生まれということも手伝って、同期の中では目立つ存在だ。「おそらく、スズカマンボやスリーロールスと同じくらいの大型馬になってくれると思います。大きく出た方が結果がよいので、そういう意味でも成長を楽しみにしています。離乳してからだんだん気が強くなってきましたが、それもまた心強い限りです」と手応えを感じている様子だ。

　「今の段階で兄と比べるのはちょっとかわいそうですが、牧場時代だけを比べれば同じようなタイプで、見劣らない馬だと思います。少しでも近づけるように。そして兄を超えるような活躍をして欲しいですね」と期待に胸を膨らませている。