馬産地コラム

ディアジーナを訪ねて~メイプルファーム

  • 2011年05月26日
  • ディアジーナ
    ディアジーナ
  • 5歳になり少しだけ白さが増した
    5歳になり少しだけ白さが増した
  • 優雅に立つディアジーナ
    優雅に立つディアジーナ
  • 3頭の中ではボス的存在だという
    3頭の中ではボス的存在だという
  • 収牧の様子
    収牧の様子

 2009年のデイリー杯クイーンC(G3)、サンスポ賞フローラS(Jpn2)と2つの重賞を制したディアジーナ(牝5歳、父メジロマックイーン、母アイネスターキン、母の父ビショップボブ)を日高町のメイプルファームに訪ねた。

 ディアジーナは2008年6月デビュー、初勝利には3戦を要したが、特別戦の赤松賞3着、ひいらぎ賞2着と健闘した。

 明け3歳となる2009年初戦の菜の花賞を勝ちOP入りするとデイリー杯クイーンC(G3)を優勝。一躍クラシック戦線に名乗りを上げた。桜花賞(Jpn1)は回避し大目標をオークス(Jpn1)制覇に掲げて挑んだフラワーC(G3)では、逃げるヴィーヴァヴォドカを捕らえることができずクビ差2着に惜敗。続くサンスポ賞フローラS(Jpn2)では期待に応えて優勝、重賞2勝目を挙げた。

 本番となったオークス(Jpn1)では、前年の阪神ジュベナイルフィリーズ(Jpn1)、桜花賞(Jpn1)をケタ違いの末脚で完勝し、現在も“現役最強牝馬”と名高いブエナビスタが単勝140円という断然の1番人気に推されていた。亡くなった父メジロマックイーンの残り少ない産駒から出た活躍馬、「大牧場生産のエリート対小さな家族牧場生産馬」という図式はファンの支持を受け3番人気に推されたが、残念ながらブエナビスタの5着に敗れた。

 夏を休養にあて、秋は新設重賞のレパードS(重賞)から始動、ダートでのレースを試されたが、このレースで交突(前の蹄と後ろの蹄をぶつけること)による外傷を負い、以後長期休養に入る。復帰に向け、馬主であるディアレスト所有の育成場で調教も進められていたが、願い叶わず2010年12月に登録を抹消、日高町のメイプルファームにて繁殖入りする事となった。現在は放牧地で2頭の上がり馬(カレイジャスミン、スパークルレディ)と暮らしている。

 放牧地では、競走成績に準じた序列があるのか、3頭の中ではディアジーナがボス的な存在だという。現役時代、鼻梁に細い流星が走っていたディアジーナだが、少しだけ白さが増した今では、ほとんど流星も見えなくなった。食欲旺盛で身体には銭形が浮かび体調は良さそうだ。

 放牧地で撮影している時、優雅に振り返るディアジーナの姿を見てハッとした。(このカット、どこかで見たような…)その姿は、著名な写真家がメジロマックイーンを撮影した作品にどこか似ていた。体形はディアジーナの方がコロンとしているのだが、その姿からは“名優の愛娘”という雰囲気が伝わってきて嬉しくなった。

 今年はアドマイヤムーンを受胎しているというディアジーナ、来年の3月にはお母さんになる。今年の皐月賞(G1)を勝ち日本ダービーでも注目されているオルフェーヴルの母父もメジロマックイーン。来年から誕生するディジアーナの産駒も大いに活躍して欲しいものだ。