馬産地コラム

クラフトワークを訪ねて~宮村牧場

  • 2011年02月07日
  • クラフトワーク~1
    クラフトワーク~1
  • クラフトワーク~2
    クラフトワーク~2
  • クラフトワーク~3
    クラフトワーク~3
  • クラフトワークを囲んで堤場長ご夫妻とスタッフさん
    クラフトワークを囲んで堤場長ご夫妻とスタッフさん

 2005年のアメリカジョッキークラブカップ(G2)など重賞3勝を挙げたクラフトワーク(セン11歳、父ペンタイア 母ワーキングガール)を熊本県益城町の宮村牧場に訪ねた。

 本馬は2002年9月デビュー、初勝利は3戦目、明け3歳のフリージア賞(500万下)で2勝目を挙げると、トライアルのテレビ東京杯青葉賞(G2)で3着に入り日本ダービー(G1)にも出走した(結果は9着)。4歳夏から本格化、函館記念(G3)→日刊スポーツ賞中山金杯(G3)→アメリカジョッキークラブカップ(G2)と破竹の重賞3連勝を果たしたが、股関節を痛めて長期休養となった。1年1か月後に復帰したが、その後の活躍は叶わず、2006年10月の毎日王冠(G2)14着を最後に引退した。通算成績19戦6勝。本馬が制した函館記念(G3)は、2000年に5歳上の半兄クラフトマンシップも制しており、函館記念(G3)は兄弟制覇となった。

 引退後はノーザンホースパークにて乗馬として過ごしていた本馬だが、2008年に宮村牧場に移動、現在はBTCの引退名馬(功労馬)として暮らしている。

 「重賞レースで活躍していた馬なので少し気位が高いですが、セン馬ですし乗馬経験もありますから扱いやすい馬ですよ。健康状態も良いし、現在はのんびりと過ごしています」と本馬の近況を語ってくれたのは宮村牧場の堤恭一場長。

 宮村牧場も、前回紹介した村山牧場と同様に(牛馬の)畜産を本業としていたが、2008年から競走馬の生産に参入した。2008年末には競走馬を専門に扱う第二分場を開設し、生産を行なっている。新たに拓かれた第二分場は、熊本空港の近くにあり、阿蘇の山々を見渡せる丘の上に位置している。現在10頭の繁殖牝馬を繋養しているが、積極的に繁殖牝馬の導入を行っていて、先日行われた「ジェイエス繁殖セール」でも1頭購買している。

 宮村牧場では生産をスタートした当初から、種牡馬として“ダービー馬”ネオユニヴァースの全兄アグネスプラネット(牡12歳、父サンデーサイレンス 母ポインテッドパス)も繋養している。

 「クラフトワークだけでなく、アグネスプラネット目当てでも多くのファンの方が会いに来てくれましたね。本場の作業もありますので、繁殖シーズン(2月~6月)の見学はお断りさせて頂いていますが、それ以外の時期は公開していますので、お気軽に電話でお問い合わせ下さい」との事だ。