馬産地コラム

チアフルスマイルを訪ねて~フジワラファーム

  • 2010年12月12日
  • チアフルスマイル~1
    チアフルスマイル~1
  • チアフルスマイル~2
    チアフルスマイル~2
  • チアフルスマイル~3
    チアフルスマイル~3

 「当ファームの生産馬ではないのですが、競走馬としても、繁殖牝馬としても申し分のない、素晴らしい馬ですね」と新ひだか町フジワラファームの伊東正和さんがチアフルスマイルを称えた。

 父サンデーサイレンス。母ゴールデンカラーズ。母は米国チャンピオンサイアーのミスタープロスペクターと、牝馬のケンタッキーダービー馬ウイニングカラーズとの間に生まれ、外国産競走馬として輸入されて、3歳春にはフローラSでホクトペンダントを退けている。その母から生まれた珠玉の良血馬チアフルスマイルは、2006年のキーンランドC(G3)含み、JRA8勝。同年の阪神C(G2)7着を最後に現役生活にピリオドを打ち、翌年から同ファームで繁殖生活に入っている。

 「人間に対してはそうでもないのですが、他の馬に対してはちょっときついところがあって、すぐにボスの座に収まっていましたね」と繁殖入り直後のエピソードを話してくれた。さすがサンデーサイレンスの重賞ウイナーだ。「これも血統なのかわかりませんが、ほとんど1回の種付けで受胎していますし、初産のときから安産です。仔育ても熱心で、母親として申し分がないですね」と優等生ぶりを発揮している。

 初年度産駒はチアフルアイズ(牝、父ロックオブジブラルタル)。初仔ということもあってやや馬格に恵まれないところがあるが、デビュー戦では先行して3着と母ゆずりのスピードがあることを示している。一息入れて体もふっくらしてきており、成長が楽しみだ。

 現1歳はクロフネの牝馬が、当歳はジャングルポケットの牡馬が、そして来年の春にはグラスワンダーの産駒を出産する予定になっている。

 「どちらかといえば、産駒はみんなスピードがありそうで、母親に似た雰囲気の仔が多いようです。その中でも今年生まれたジャングルポケットの仔は初めての牡馬という意味でも楽しみにしています」と期待されている。世界的な良血が日本の地に根付いて、そして大きく花咲く日が楽しみだ。