馬産地コラム

スイープトウショウを訪ねて~トウショウ牧場

  • 2010年09月04日
  • スイープトウショウ~1
    スイープトウショウ~1
  • スイープトウショウ~2
    スイープトウショウ~2
  • スイープトウショウ~3
    スイープトウショウ~3
  • 今年はディープスカイを受胎している
    今年はディープスカイを受胎している
  • スイープトウショウの初仔(1歳、父アグネスタキオン)
    スイープトウショウの初仔(1歳、父アグネスタキオン)

 2005年の宝塚記念(G1)やエリザベス女王杯(G1)など、強烈な決め脚でビッグタイトルを制した女傑スイープトウショウ(トウショウ牧場生産)を訪ねた。引退後は新ひだか町のトウショウ牧場に里帰りし、繁殖牝馬となっている。

 数々の名馬を輩出した故郷は静内の山奥に位置する自然豊かな牧場。例年以上に暑い今年の夏は30度を超える日もあったそうだが、うっそうとした森林に囲まれ、馬たちはリラックスした日々を送っている。同牧場の志村場長は、「体調はいたって良好です。繁殖牝馬らしくなってきましたね。現在は放牧時間を長めにとって、来年の出産に備えてゆったりと過ごしています。」と、近況を教えてくれた。

 現役時代は調教や馬場入りを嫌がる素振り見せて、性格面で難しい部分があった彼女だが、繁殖牝馬となった今は、特に扱いで手を焼くことはないという。「人間に対しては手を煩わせることはないです。現在はトウショウナイトの母ミッドナイトオアシスと仲良く放牧しています。外国産の馬と気が合うのかな(笑)」と、志村場長。安心できる仲間と共に、虫の音を聞きながら夏の日々を送る。

 牧場ではスイープトウショウの初仔となる1歳牝馬(父アグネスタキオン)が元気に育っている。志村場長は、「母に似ていますね。馬はすごく良いし、ここまで順調です。初仔から牝馬を出してくれたので、オーナーブリーダーとしては将来の後継牝馬としても大事にしていきたいですね。」と、こちらは牧場の将来も見据えて楽しみにしている一頭だ。

 レース前はハラハラさせるが、胸がすくような怒涛の末脚を炸裂させ、多くの競馬ファンを虜にしてきたスイープトウショウ。母となり、その爆発力は仔に受け継がれていくことだろう。代を経て更に進化を続けるトウショウ血統から、新たな大物出現に志村場長は期待を膨らませている。気になる今年の交配相手はダービー馬ディープスカイ。極上のキレ味を武器とした産駒の誕生を予感させるカップリングがファンにはたまらない。

 スイープトウショウを含めたトウショウ牧場の生産馬についての情報は牧場ホームページにも詳しく紹介されている。現役時代コンビを組んだ角田晃一調教師が牧場を訪れた様子なども掲載されているので、是非ご覧ください。

●トウショウ牧場ホームページ