馬産地コラム

ファンドリポポを訪ねて~槇本牧場

  • 2010年05月10日
  • ファンドリポポ
    ファンドリポポ
  • 同

  • 宝寄山さんと
    宝寄山さんと
  • ファンドリポポ
    ファンドリポポ
  • 右がファンドリポポ、左がシンウインド
    右がファンドリポポ、左がシンウインド
 1989年のサンスポ4歳牝馬特別(G2)など3つの重賞を制したファンドリポポ(牝24歳、父ホスピタリテイ 母ファンドリパール)を日高町の槇本牧場に訪ねた。

 本馬は1988年6月、栗東の夏村辰男厩舎からデビュー。新馬戦を勝ち、この年6戦2勝の成績を挙げた。翌年のシンザン記念(G3)を人気薄の10番人気で制し、初重賞制覇を果たすと牝馬クラシック戦線に参戦、報知4歳牝馬特別(G2)(現報知杯フィリーズレビュー)3着、桜花賞(G1)7着の後、サンスポ4歳牝馬特別(G2)(現フローラステークス)を優勝して重賞2勝目を挙げた。トライアルを制して挑んだオークス(G1)では4着に敗れた。

 管理していた夏村辰男調教師が病気で亡くなると松永善晴厩舎に転厩、秋のエリザベス女王杯(G1)は12着に敗れ牝馬三冠でのG1制覇は果たせなかった。その後は岩元市三厩舎に転厩し中距離を中心に重賞を賑わせ、1990年の朝日チャレンジカップ(G3)を制すなど重賞3勝、通算成績25戦5勝の成績を挙げて引退した。

 1991年から日高町の槇本牧場にて繁殖牝馬となった本馬だが、その仔出しの良さには驚かされる。2008年に繁殖を引退するまでの17シーズンで15頭もの産駒を送り出している。代表産駒にはダートで8勝を挙げたファンドリリョウマや、2勝を挙げ後継の繁殖牝馬として期待されているポートガルチなどがいる。

 2008年に繁殖を引退した本馬は現在、槇本牧場分場(旧宝寄山牧場)にて、今年26歳になるシンウインドと共に功労馬として余生を過ごしている。放牧地では2頭仲良く連れ添って草を食べている。

 「どちらも人間で言えば80歳を過ぎたお婆ちゃんですが、健康状態は良好です。この馬は結構人見知りで知らない人が来たりすると耳を絞って警戒することもありますが、基本的には穏やかな性格ですよ。2頭のどちらがボスって訳でも無いですが、たまに上がりや空胎の繁殖牝馬が同じ放牧地に仲間入りすると威張ってますね。」と近況を語ってくれたのは牧場スタッフの宝寄山さん。今でも人気があり、年配の競馬ファンを中心に年に何人ものファンが会いに来るそうだ。

 競馬界の”きんさんぎんさん”目指して、仲良く元気に長生きして欲しいものだ。
取材班